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第5話:みんなは今日何をした? 私はね、お掃除(2)

 今回は依頼での旅じゃない。

 前にサニちゃんと一緒に"塔"の研究所にさらわれたわけだけど、あの時塔は急いで逃げ出したのか、結構色々と資料を残してくれていた。

 ノアちゃんが白に連絡し愛歌さんを呼び、その残った資料を全てスキャンすることで色々とわかったことがあった。

 一番有益だったのはフラエル皇国内に点在する塔の研究所の場所がいくつか分かったこと。

 そこを叩き潰すことができれば、サニちゃんの様な被害者を減らせるかもしれない。

 でも少しでも時間を置いてしまえば、多くの資料をもって塔がそこから撤退してしまう可能性もありえる。頭だけは回るやつだったからね。何を知られているかもわかってるだろう。

 だから早急にその場所にいて叩き潰したい。ってなわけで、私たちはノアちゃん、白、そして私の3人に分かれて大きい順に潰していくことになった。

 ただやっぱり私には他二人に比べて戦闘力に不安が残るからね。

 ってなわけで愛歌さんを貸してもらったってわけ。


「大丈夫大丈夫、夜空を死なせやしないから」


 なんて愛歌さんはイケメンなセリフ言ってたけど、やっぱり不安は残るな。


「愛歌さんって何ができるんだっけ?」


 目的の場所の近くの宿で泊った夜、そんな風に聞いてみた。


「人に憑りついて魔力や闘気力の動きを最適化して、より効率的に運用できるようにしたり、体のメンテナンスをしたり。まあ色々と自分だと制御できないことをサポートしてあげられるよ。簡単に言えば外付けのCPUみたいなものかな。白以外に対してだと効率さがるんだけど」

「それって……なんかちょっと怖いね」


 心臓止めたり、なんてこともできちゃうわけだし、文字通り生殺与奪権を握られてる状態だ。

 信頼できる相手じゃなければ危ない。


「あはは大丈夫、その分簡単に追い出されちゃうから」

「そうなんだ」


 相手からも信頼を得ないと体の制御権を貰えないってことかな。

 それができちゃったらどんな相手も愛歌さん一人で無力化できちゃうもんね。当然か。


「愛歌さん自身は何ができるの? 戦闘は?」

「無理無理戦闘なんて。ただのパンピーだもん。超人でもなければ、訓練も受けてないし、この世界の人みたいに幼い頃から魔法を学んでいたりもしない」

「そっか」


 いやまあ、元超絶ウルトラハイパーお金持ちの家のお嬢様で、天才で、自分をAIに変えちゃって、その上で最終的に霊になってる人はパンピーとは呼びませんよ。


「運動は得意だし好きだけどね。血生臭いのは向かないよ」

「え、運動もできるの?」

「まあ、学校の体育は普通にこなせるくらいには」

「え……」


 私体育の成績2だったんだけど。


「愛歌さんって何ができないの?」

「書くのは苦手かな。文字も絵もなんでも。字や設計図や楽譜が汚いってなんど怒られたことか……。ほんとユニコードとCGがある世界に生まれてよかったよ」

「でもノクティルーカのスーツは愛歌さんがデザインしたんだよね?」


 ノクティルーカは白が超人の能力を使ってヒーロー活動をしていた時の名前だ(※詳しくは前作を参照してね♡by愛歌)。


「デザインの才能と書くことの才能は別だよ。頭で思い浮かべるだけなら私はできる。それをアウトプットするのができないだけ」

「え、結局それって一緒じゃないの?」

「全然違うよぉ」


 なんか私とは見てる世界が本当に違うんだろうなと思った。

明日も読みに来ていただけたら嬉しいです。

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