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橋の上の戦い・後編

「この橋、落としてもよいでござるか?」

「は?」

「はい?」


 ナミネとルトがしずくに訊き返す。


「橋を落とす?」

「うむ」

「この頑丈な橋を?」

「うむ」


 聞き間違えかなと思いナミネは2度訊き返すのだが、やはり間違えではないらしい。


「えっと、できるのですか?」


 この橋を物理攻撃だけで壊すのは、白やノア級の人間でないと難しいだろう。

 しかし橋を壊せそうなほどの魔法を使えるのはナミネくらいだ。しかしそのナミネでも難しいだろうと判断している。しずくはそんな派手な技を使いそうにはないが……。

 確かに壊せたのならここでのナミネたちの仕事は圧倒的に楽になるだろう。帰りには困るが、白たちならどうにかしてくれるだろうと考える。


「うむ。可能であると考えているでござるよ。えと強化魔術を拙者にかけられる方はいるでござるか?」

「私は可能ですが」

「私もできるよ」


 愛歌とナミネが言った。


「では体の強度をうんと上げて欲しいでござる。できれば爆発体勢も」

「……?」


 攻撃用ではなく防護の強化を? とナミネは不思議に思う。


「お願いする」

「わかりました」


 愛歌とナミネはしずくにできる限りの防護を施した。


「よし、では参る」


 しずくは闘気力を使い、魔獣の海の中を水上バイクのように進んで行った。

 二本の剣を使い器用に魔獣を蹂躙していく。そして……。


「ガッギャッギャ! 性懲りもなくまた来おったか!」

「いたいた」


 言いながら何故かしずくは剣を仕舞った。


『しずくちゃんあなたまさか……』


 しずくの中の愛歌は何をしようとしているのか気が付いたようだ。


『そういうことでござる。露払いは任せたでござるよ』

『……わかったわ。無理はしないでね』


「!?」


 エジェが殴ってきたのをしずくは軽く避け手でつかむ。


「ちょいと失礼するでござるよ」


 そして背負い投げをした。

 ボンっ!

 地面に着いた途端エジェの体が爆発する。


「ガッギャッギャ。何を使用とも無駄無駄。ぐお?! なにを?!」


 しずくは地面に転がるエジェの腹の上に馬乗りになった。


「御免」


 そしてエジェの顔を殴る。

 ボンっ!


「ガッギャッギャ。どうしようとしたところで!」

「ほっ!」


 殴る。


「無駄なのだ!」

「はっ!」


 殴る。


「無駄だと!」

「よっ!」


 殴る。


「言っておろうに!」

「はっ!」


 殴る、殴る、殴る、殴る。

 さらに、殴る、殴る、殴る。


「もうやめんか! 何を無駄な事を続けている!」

「無駄などではないでござるよ?」


 がこん。

 橋が音を立て始める。


「まさか!」


 ボンっ!


「まて、この体質は!」


 ボンっ!


「私では制御できんのだ!」


 ボンっ!


「むしろ」


 ボンっ!


「でござるよ」


 ボンっ!


「やめ」


 ボンっ!


「やめろーーーー!」


 ドガーン!!

 限界に来た橋が崩れ始めた。


「やった!」


 しずくは落ちながらガッツポーズをとる。


「ガッギャッギャ。だがこれでは貴様も道ずれだぞ!」

「そうでもないでござる」


 エジェの事を思い切り殴った。

 その衝撃で上空に上がる。そしてナミネたちのいる方へ着地した。


「大成功でござる!」

(必要のためだったら、えげつないことするわねこの娘)


 と愛歌は少々ドン引いていた。


 ただ、この橋の崩落の影響は、正義の弾丸軍要塞にまで響いてしまっていたのだった。

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