紅花夜空奪還作戦(1)
暗黒の大地。
フラウロウから見て遥か東。日本とアメリカに近い位置関係にある絶海の孤島。
かつて魔王が作り出し、拠点としていた場所だ。
この世界から離れていた間に作り出された場所だから、エルリフィは知らなかった。
そして当時、勇者と魔王の苛烈な戦いのために生物がまともに住めるような環境ではなくなってしまっていた。故にミファもそんな場所に誰かが基地を作っていた、などと考えてはいなかったのだ。
マリーロックにはそんな島の沖に船を停泊してもらい、小舟で俺たちはその大地に降り立った。
メンバーは俺、ノア、愛歌、しずく、ナミネ、エルリフィ、そして案内役のルトだ。
ミファの近衛兵長とか作戦に参加したい、といった人たちもいたし、アルノなんか最後まで絶対行く、と言っていた。
正直俺も男いてほしかったよ? けど船長があれじゃあ、ミファが止めていた理由も理由もわかるし無理だったろうな。俺を乗せるよう頼んだだけで大騒ぎだったらしい。
まあ敵の懐に入っていこうってんだから、変に人数が多いよりは少人数の方が動きやすいだろう。
それよりも。エルリフィが来るって言い出したのには驚いた。てっきり今回もフラウロウにいるもんだと思ってたから。
「これでも妾は、先のフラウロウやデモル京での災厄に関して心を痛めているのじゃ。妾はどちらもの大事な時にいることができなかったからな」
まあこの人は超人である前に、伝説的な天帝だ。そっちの責任を果たすので忙しかったのだろう。それはしかたない。
「しかし此度の戦いには参加せねば。大事な時にいなければ、天帝の名が泣こうというものじゃ」
そういって無理やり出てきてしまった。
まあ超人の先輩がいるってのは心強いかな。
「ルトも引っ張てくることになってしまってわるいな」
「いえ。ここに一番詳しいのが私ですからしかたありませんよ」
「無理はしないでくれよ」
「心配なさらないでください。あの日以降私もある程度訓練はしていたので。昔の勘は取り戻してくれました」
そりゃ頼もしいけどね。




