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第4話:夢見るパンドラ(9)

 サニちゃんの手を引き、その施設の出口探して走っていた。

 ノアちゃんが言っていた通り生きている敵はおらず、会敵せずに済んだ。

 そして……。


「サニちゃん! きっとあそこだよ! 大丈夫?」


 外の光が漏れる扉を見つけた。


「はい」


 サニちゃんは静かに答えた。

 そしてその扉を抜ける。


「え……?」


 しかしそこは外ではない大広間だった。

 それどころか、見覚えのある人物までいた。


「塔?! なんで?」


 死神の札の"塔"だ。


「なぜ? ここは儂の研究所だ。いて当然だろう?」

「そういうことじゃなくて! 私たちは出口に行ったはずで……」

「素晴らしい魔法だろう? 捕まえた者が逃げた時のみ、入り口がこの部屋とつながるのだ」

「へえ。面倒くさいことしてくれちゃってさ……」


 後ろを見ると確かにさっき開けたのとは全然作りの違う扉があった。

 魔法でここに飛ばされたことは本当みたい。


「で? 私たちはなんで連れてこられたの? 実験のため? 私たちでどんなサディスティックなことしてくれちゃうわけ? 人間キメラを作るとか?」


 あー、なんかこういう時に軽口を叩く白の癖、移ったかも。

 でもとにかくノアちゃんが来るまで時間稼がなきゃ。


「お前に用はない。年を取りすぎているからな」

「はぁ?! 19歳のうら若き乙女捕まえてなーにが年を取りすぎてるじゃ!」


 ってか年寄りに言われたかないわ!

 と時間稼ぎとか関係なく怒鳴ってしまった。


「適性などにもよるがないろいろあるがな、成体の疑似超人は戦闘力があまり高くならない傾向にある」

「……へぇ。そう」


 そういいながら、私は剣を抜いた。

 

「おっと。私はあまり戦闘能力が高くないのでね。この者に任せるとしよう」

「はい」


 そういって青年が現れた。


「ワンドよ。そなたの力みせてみよ」

「承知しました。塔様」


 ワンドといったそいつは、細長い棍を構えている。


「んじゃ、やりますか。火属性魔術:炎獅子(ホットドッグ)っ!」


 私は剣を持っていない方の手から、回復していた魔力を全て使って火属性魔術を繰り出し、その後ろに隠れるように身をかがめてワンドとの距離を詰める。

 魔術は避けられるが、避けた先の地点にすぐ駆け、右から左に剣を振り上げる。

 それも避けられたが頬を掠め切り傷を与えた。


「もういっちょ!」


 ここで一気に攻める!

 剣を数度振るう。

 が、しかしうまく受け流され逆に反撃に出られてしまう。

 ワンドが棍を私に振り下ろす。剣でそれを受け止めた。

明日も読みに来ていただけたら嬉しいです

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