新パーティーメンバーズ
「私はあまりデモル京で生活できなかったから。ちょっと、そこだけは残念だな」
デモル京を発つその日、ついつぶやいた。故郷に似た文化、もう少し堪能してみたかったけど、まあ仕方ないね。
「で、お前たちは本当についてくるのか?」
デモル京の入り口あたりでそう私がしみじみとしていたら、白がそういった。
「ええ、もちろんですわ」
「拙者は弟子であるが故当然でござる!」
しずくちゃんとナミネちゃんは当然のように私たちについてきていた。
「あのなぁ。しずくはわかるぞ? まあ一応面倒見る義務があるさ。でもナミネは……」
「言っていませんでしたっけ。私、国外追放措置となりましたの」
「はぁ?」
もともとナミネちゃんは、セオリさんからの裁きを待っていた身だった。しかしセオリさんが亡くなってしまったために、仕方なく自ら辞職したそうだ。
そこまでは聞いていたんだけど、まさか国からも一応の罰則は科されていたんだ……。
「とはいえその刑というのは、国の面目のため、というのが大きいみたいです。海外風に言えばあぴーるといいますか。セキヤミが裏で働きかけてくださったので、1年半という短さですし、用事があれば事前に申請の上100日に1日だけ入国も許されるそうです。そのことは世間には公表されてはおりませんし、復職はみとめられないのですが」
本人が望んでやったことではないということからの、温情だろうか。
まあやったことに対する罰としては確かに甘々かもね。セキヤミさんが頑張ったんだろうな。
「というわけで私、白様に拾ってもらわねば行く当てがありませんの。このまま一人海外に行くことになればきっと、慣れない地で行き場をなくし、外人の蛮族に攫われて、一生を慰み者として生きることになるのですわ」
よよよ、と泣き真似をしながらナミネが言った。
「あー、わーったわーった。勝手についてくりゃいいだろ」
「うふふ。ありがとうございます」
「はぁ……、どうしてこう女ばっかし増えてくんだ」
ハーレムでやったー、なんてなるのはきっと妄想の中だけで。本当にこうなった本人はわりとしんどいんだろうな……。ご愁傷様です。
「なーに言ってんの! ボクがいるじゃん! いつだって相談乗るよ」
アルノがバシバシと白の背を叩く。
「お前は男と女、どっちとして扱われたいんだ」
白がツッコむ。あーたしかに。今時……、私たちの世界の今時、そういうのうるさい世の中だからね、そこははっきりしとかないと。
「えー、どっちもというか、ボクはボクとして扱われたいかな」
「あっそう」
なんか複雑かつ単純な答えが返ってきた気がした。
それにしてもこの世界に来たときは4人だったのが、今じゃ7人か……。
随分と大所帯になったな。




