ロング派? ショート派?
たまにはこういう馬鹿みたいな会話してるだけみたいな回があってもいいですよね。
セキヤミさんと話した後、部屋に帰った。
「ただいま。あれ? みんなは?」
部屋には白しかいなかった。
「風呂に行ってるよ。アルノが帰ってきたら俺も行こうかと思ってるよ」
「ふーん、そっか」
と返事をしつつ、白の座っている斜め前の座布団に座った。
「白はさ。髪がロングヘアの方が好きなの?」
「は? なんだ急に」
「この前、髪長くなったな、って言ってきたでしょ? 白がそんなこと言うの珍しいなって思って」
「……」
「ね、どっちなの?」
「どっちかっていえばロングの方が好きだよ」
あんましこういう会話を人としないのか、少し赤くなりながらボソッとそう答えた。
そういえば幼馴染だったのに、白の好みとか全然知らないな……。そういう会話実際なかったし。知ろうともしてなかったのかも。
あれだね。幼馴染に負けヒロインが多いのってそういうとこもあるのかもね。慢心、みたいなさ。
「意外だね」
「何が」
「いや、今時の男子はショート派が多いって聞いたことあったから。珍しいなって思って」
「俺が"今時"、なんて人間にみえるか?」
「あはは。見えないね。で、どれくらいの長さが好きなの?」
「別に……、まあ……、その、引きずるほどってなるとどうかわからんけど、みたことないし……、でも長ければ長いほど、いいと思、ってるよ……」
さらにしどろもどろになりながら言った。
「へぇ……、なんか、えっちだね」
白とこんな会話するのも、こんな白を見るのも初めてで楽しくなって、ついいじるようにそういった。
「はあ?! なんでそうなるんだよ?!」
「いやぁ、つまり髪フェチってことでしょ? おっぱいに例えたら大きければ大きいほどいいみたいなことでしょ?」
「髪フェ……、チなとこが多少はあることはまあ認めるけどさぁ。その言い方は語弊があるだろ」
「ええー、じゃあやっぱおっぱいは大きい方が好きなの?」
わざと話題をそらしてみる。
「なんでそうなる……」
「どうなの?」
「別に好きな相手ならあろうとなかろうと、気にはしないんじゃないか……?」
どんどん顔赤くなってくなぁ。面白いくらい。
「確かに、愛歌もノアちゃんも、まああれだし……、しずくちゃんは、まあ少しあるほうだけど小ぶりだしね。あ、じゃあおっぱいは小さい方が好きなのか」
「いや、だから別に……」
「じゃあユィリスさんは大きかったんだ」
「……、いや、まあ、それなりに……」
ははーん。これは相当なサイズだったとみた。
「そう考えたら白の周りってロングの子多いよね。愛歌もノアもしずくちゃんも……」
「それは別に俺が強制してるんじゃないし」
「でもやっぱしユィリスさんもロングだったんでしょ?」
「ああ、まあそうだけど」
「ただいまー」
そこにアルノが帰ってきた。
「あーちょうどよかった。俺も風呂に行ってくるわ」
「うん。いってらっしゃい」
……あの様子だと、本当にユィリスさんのことが好きなんだろうな……。
「……」
「どうしたの?」
「別に?」
ま、珍しい白が見れたからよしとしようかな。




