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夜空 VS トリカ(2)

「きゃっはは!」


 トリカが弾丸のように突っ込んでくる。体をそらして避けて後頭部を鞘で打ち付けた。

 しかしトリカはそのまま頭だけで体を支えて、私の顎を蹴り上げる。


「っ……!」


 一瞬気をやりそうになるが、気合で保ち追撃に備える。

 トリカは鉈を地面にたたきつけるように攻撃してきていた。少し下がってそれを避ける。

 地面に突き立てた鉈を支えにした、回し蹴りが飛んできた。刀でそれを受けた。

 もちろん刃があるほうを合わせているのだが、軽く肉がえぐれた程度。さすが疑似超人。頑丈な体だ。

 さらに私は下がる。トリカは着地した勢いを更なる攻撃力に変えて鉈を大振りで振り下ろしてきた。


 ギギギギギギ……。


「っ!」


 鉈を刀で受け止めたとき、刀が嫌な音を上げているのを感じた。急いで、勢いそのままに宙から離れていたトリカの体を蹴り上げた。


「座標転移!」


 闘気力を使って、トリカの体が飛んでいく先に転移する。そして上から叩き落そうとしたが避けられてしまった。

 トリカが身をひねり攻撃して来ようとする。それを見て風属性魔術を使って、トリカの体を吹き飛ばし距離を取った。

 すぐに宙を一時的な足場にできることを()()させ、ジャンプしてトリカに追いつく。そして、今度こそトリカを地面にたたきつけるよう蹴った。

 トリカはゴロゴロと地面を転がった。と思いきやすぐに飛び上がり、着地する寸前の私に攻撃してきた。

 その鉈を受け止めようとしたのだが。


「!!」


 嫌な金属音を立てて、刀が折れてしまった。いやな予感がしていたのだが、本当に当たってしまうとは。


(ごめん、サミさん!)


 それにひるまず、私はトリカに攻撃を仕掛ける。トリカのふところに入り込み、正拳突きを叩き込んだ。

 またも吹き飛んでいくトリカの足をつかんで、大上段を放つようにその体を振って地面にたたきつけた。そしてバウンドしてきた体を蹴こんで、近くの壁にたたきつけた。


「あー、もう、愛刀だったのに」


 この世界に来て、最初に買った思い出の刀だったのに……。くっそぉ……。さすがに()()でも治せないだろうな……。

 はぁ……、どこかのタイミングで新調しないと……。半年近く働かず修行してたからお金もないってのに。

 そう思いながら杖剣から仕込み剣を抜いた。刀を買う前に使っていた武器だ。念のためって一応白から借りたままだったんだ。本当に持っておいてよかったよ。

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