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白 VS 撃鉄

「おい、もうちょっと本気でやってくれよ。こっちは二本しか使ってないんだぜ。」


 撃鉄の攻撃を避け続ける。そうしながら四本の剣の内二本を宙に浮かせ、俺も遠距離から剣で攻撃していた。撃鉄もそれを避けながらこちらに攻撃してきている。


「くっそぉおおお! うごくなぁああ!」

「あっそう。じゃあそうしてやるよ」


 撃鉄が腕輪で空を切る。あの俺の腕を吹き飛ばしたときの攻撃だ。それしか芸がなくそれを俺に放ち続けているのだが。

 使っている宙に浮かしている二本の剣を俺の前でクロスさせて盾にし防いだ。


「くっそおおおお! 当りさえすれば!」

「じゃあ、当ててみろよ。やりやすくしてやっから」


 剣を消し、正面に構えた。


「本気でやれよ」

「ちぃ! 舐めるなぁあああっ!」


 撃鉄は本気の攻撃を放ってきた。俺は動かずそれが届くのを待つ。

 そして……。


「な、なぜ……?!」


 撃鉄の腕輪から放たれる空気を切り裂く攻撃は、俺の服を軽く裂いたところで霧散した。


「前はてめぇの腕を斬り落とせただろうが!」

「あんな不意打ちと一緒にされちゃあこまる」


 あんなもん強化魔術と気力で自分を防護すればただのそよ風だ。

 今の攻撃だけじゃない。

 前の時は、霊脈がどうこうとか左腕を回復しながらだったりとか、色々あったし。

 でも今は本気でやれる。まあ、なんかこいつのために本気出すのもちょっとだけもったいない気がして出さないけど。


「ちいぃ!」


 撃鉄はもう片方の腕輪を使ってその場から消える。そして俺の背後にワープしたらしい。

 殴ってきたのを避けながら体を蹴り飛ばした。


「くっそお! なんでだ! なんで勝てない?!」

「さあ。お前、その武器に頼りすぎなんじゃね。知らねぇけど」

「っ! なんだと! 俺は正義の弾丸軍では天才と……」

「へーそうなんだ。マールズやエレメンタルバレッドだって、もう少し強かった気がするけど」

「黙れ!」


 今度は俺の目の前に現れて、殴りかかってきた。そうとうキてるな。


「ぎぎゃ」


 その拳が折れに当たる前に剣2本を取り出し、撃鉄の体を文字通り釘付けにした。


「て、てめぇ……!」


 はあ、さっさとこうすりゃよかった。


「で、さっきはなんつったっけ。雑魚、だっけ」


 面倒な相手と戦ったわけだし、少しの嫌味は許されるだろう。性格的に面倒だって話ではあるけど。


「で、その雑魚に今から殺されるわけだけど、気分はどうだ」

「ちぃ……」

「こういうとき大抵嬲り殺したりするのかもしれないけど、そういう趣味内から」


 一息に首を落とした。


「残念だったな一瞬で殺す」


 さーてと、ちょっとスッキリしたことだし、早く夜空の加勢に行こう。

 はあ、俺もたいがい性格悪いな。

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