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順調に

 ―――セオリが地上の異常に気付く数日前・青水白


 ジンマ教団の大神官を倒ししばらく、ジンマ教団が固まっているところを見つけてはそいつらを捕まえていく。そんな日々が過ぎていった。

 グリンたち正義の弾丸軍への警戒もし続けていたのだが、今のところ動きはなさそうだ。

 これなら今度ある大きな祭りのあと、フラウロウに帰っていいかもしれない。

 夜空は……、まあ、修行も大変そうだしおいてってもいいかな。同じ世界にいるわけだし、いつだって呼びに行こうと思えば行ける。

 集中してるならおいてってもいいだろう。

 ただ……、何かを……。


「隣、よろしいですか?」


 茶屋でおやつを食べていたらセキヤミがそう声をかけてきた。


「いいけど。なんかここにいるとあんたとよく会うな」

「私も気に入っている店ですので」


 ま、街中の小さな緑地の中にある、雰囲気良い店だからな。元の世界の近所にもこんなとこにあればいいんだが。

 セキヤミは店員に団子とお茶を注文して隣に座った。


「最近の調子はどうです?」

「ま、いい方なんじゃないか?」


 ジンマ教団に関することは前よりは着実進んでいるしそれに……。


「おや、白様がそんなことを言うとは……。何かいいことでもありましたか」


 はぁ……、こいつ、人のことよく見てんな。


「昨日エミが部屋から出てきたんだ」

「おや、それは本当ですか?」

「ああ。つっても、俺らの部屋でちょっと談笑してまた部屋に帰ったけど。でも、大きな進歩だろ」


 今日は家の周り……、それが無理なら宿の庭を散歩してみよう、としずくがエミに提案していたがどうなっているかな。


「それでさ、部屋に戻る前、今度の祭り、俺としずくと一緒に回りたいって言ってくれたんだ」

「そうですか……。心の方の回復も少しづつ治ってきているようでよかった」

「むしろ思ってたよりも早すぎるくらいだ」


 本人が無理をしてなきゃいいんだが……、んま、それに関しちゃ俺らがみててあげるしかないな。


「ナミネにも伝えておいてあげてくれ」

「承知いたしました」


 ナミネはかなり心配していたからな。あいつが全面的に悪いってわけではないと思うが、もっとも責任負うべきやつが消滅しちまってる。だからナミネは余計に責任を感じてしまっているみたいだった。

 なのにもかかわらず、自分の家から出れないから……、謝罪すらできていなかった。


「そうだ。でしたら私から縁日用の着物を贈りましょう。エミ様としずく様に」

「お、まじか。あいつらもきっと喜ぶよ」


 外に出る楽しみが増えればより出たいという気持ちも出てくるかもしれない。

 とにかく俺がこの世界に入れる時間はあと残り少ない。この国に滞在する時間はもっとだ。

 それまでに少しでも元気になってくれれば、俺としてもうれしいんだが

 とはいえ、無理もしてほしくないからな。ゆっくり行くとしよう。

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