横やり
ナミネが戦闘を始める。
自分が勝つか負けるまでは黙ってみていてくれと言われたが……。
「なるほど、確かに相性が悪い」
ナミネが召喚する絵たちは、強力だがわずかな衝撃で霧散する。
対して大神官というやつは衝撃波を打ち出す魂源とみた。正直地味だし俺なら即串刺しにできるが、ナミネとは相性が悪いだろう。
そう思いながら見守っていた時、背筋に悪寒が走った。
「ちぃ、あいつか」
ナミネに攻撃しようとしたそいつを、その途中で蹴って止める。
「おい、あいつら今タイマンでやってんだ。邪魔すんなよ死神」
「キッヒッヒ。やれやれ、あなたに気づかれる前に一人やってしまいたかったのですが……」
「なめられたもんだな」
俺は剣を取りだした。
「白クン! ちょっと助けてもらえないかなぁ?!」
アルノがいう方を見ると、ゾンビみたいな死んだ瞳をしながら、アルノに襲い掛かろうとするジンマ教団員とトリカがいた。
「いいかげん、その面も並びも見飽きたっての」
「それはこちらのセリフです。そろそろ死んでいただきたいとは思っているのですがね。キッヒッヒ」
なんては言ってみたものの、今日は別に無理してこいつを殺すこともない。
ナミネを守ることに専念するとしよう。
「ノア、あっちは任せたぞ。さっき言った通り」
「はぁ……。了解」
ノアも本当にしつこいなあ、と面倒そうな声を出しながら応じた。
まあ敵からしたらこっちに対しても同じ反応だろうが……。
ブオゥンッ!
グリンによって振られた大鎌をかがんでよける。
地面に手をつき、腹部を蹴り上げる。
すっ飛んでいったグリンにジャンプで追いつき、地面に蹴り落した。
「まったく、私を死神とわかっていながら3度も直接攻撃してくるとは」
「わかってんだろ。俺にその呪いは効かねぇ」
死神の体質、死神以外の種がそれに触れると呪われる。
俺はその呪いも水の力で洗い流せるから、問題にならない。
「とはいえ、だから有利とはならない」
「ああ、わかってるよ」
もともと死神と戦うとなると不利を押し付けられる。
それが±0になってるだけだ。
いや気力には限りがあることを考えると、むしろまだマイナスに偏ってる。
「だから今回は足止めにとどめておかないとな」
つぶやきながら剣を放り投げた。また宙に出現させた残りの剣三本を、グリンめがけて射出する。
グリンは大鎌をぶんぶんと回しながら正確に一本一本叩き落していった。
そのすきに取り出し構えていた弓で地面を撃つ。魔力を込めた矢が着弾すると、その場で爆発した。
遠距離攻撃で何とか……、時間を稼いでおかないとな。
気づけば400話以上書いていたらしい
びっくり




