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第1話: 拝啓、空の青さを知らぬ貴女へ(4)

 翌日、山の中を歩いていた。

 前を歩く白が手から、青い水の様な光を落としていく。

 

「こっちに川があるな」


 水流探査(オケアノス・フロー)。白の持つ2つの探索技のうち1つだそうだ。一定範囲の地下水脈、水源、湖、川、海等の有無とその流れを調査できるらしい。

 人が住んでいるなら水の近くだろう、という事で、今はそういった場所を中心に探索している。

 歩いているうちに沢に出て、川を上に登っていく。


「あづい……」


 セミに似た声が木々の中に反響する。それが耳に張り付いてうるさかった。

 草木が邪魔な時は剣で軽く刈り取っているが、地面はゆるく足を取られそうだし、草いきれがしんどい。


「フラエル皇国の半分は常夏のエリアらしいからな。ここも熱帯雨林にも近い環境だ」

「こんな住みにくい場所に人なんかいるのかな」

「いるだろうな、確実に」


 白が立ち止まる。


「? どうしたの?」

「結界だ」


 白が前に手をかざすと、宙に波紋のような空気の揺らぎが発生した。


「そんなに強い物じゃないけど、その割に範囲は広い。いま人がいるかはわからないけど、人が住むためのエリアには間違いなさそうだ」


 結界内に入るのには別段苦労しなかった。

 内部にいる人へ敵対心を抱くものの侵入を妨害する、という汎用的な結界だったから。私たちは敵のつもりで侵入はしてないからね

 結界内を数分進むと小さな家が現れた。


「誰かいるみたいだ」


 煙突から煙が出てる。

 白がドアの近くにあった蔓を掴んだ。

 この国のインターホンの代わりとなっている魔法植物で、掴まれると家の中の住人を呼び出してくれる。

 少しすると中から女性が出てきた。目には包帯を2、3周巻いている。


「ルトさん、ルト・イェヒリさん、でお間違いないですか?」


 白が訊く。


「えぇ。それは私の名ですが……」


 おお、ビンゴ!


「いつもの農家さん、では無いですね。どなたでしょう?」


 いつもの農家?

 麓の農村は随分前に人がいなくなってるけど……。


「冒険者の白と夜空といいます。とある依頼のために訪ねてきました」

「依頼……? あ、いえ。立ち話も何ですし、どうぞ」


 あ、入れてくれるんだ。


「お言葉に甘えて……、と言いたいとこですが、その背中のダガーを仕舞っていただいてもよろしいでしょうか?」


 と思っていたら白がそんな事を口走る。

 え? そんなもの持ってたの?!


「……」


 妙な緊張感が走る。


「ソラ・トレントットさん、の親戚の方からの依頼、といえば、警戒を解いていただけますか?」

「……っ? ……わかりました。では、あなた方は武器を含めた荷物全てを家の外においてください」

「もちろんです」


 お互いに武装を解除し、中に入れてもらった。



―――世利長愛歌の記憶領域:file.4【依頼とクエスト】―――

 この世界では"依頼"と"クエスト"は区別して話される。

 というよりも依頼の中にクエストっていう種類のものが入っている、って形かな。

 政府や法人が不特定多数の冒険者に依頼するものがクエスト。

 何かを多く集めてくる、とか、何かを早い者勝ちで持ってくる、とかね。

 個人的な依頼を貰いにくい駆け出し冒険者が利用することが多かったりする。

明日もよろしくお願いします

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