ナミネVS大神官(1)
「誰かと思えば、そうか……、貴様かナミネ」
ジンマ教団の拠点、大祭壇が置かれた場所に来た。
ナミネが先頭で大神官と対峙している。
「他に、誰かいると思う?」
「ふん、まあ、心当たりがないわけではないがな」
「へぇ。思ったよりもうまく行っていないのですね。あなたの支配は」
「権力というのはどうしても、手に入れるのと同時に敵も作るからな」
「それについては同感です」
ナミネは言いながら筆を取り出した。
「それで、私を倒そうなどと思いあがったというわけか」
「いいえ」
「ほう? ではなぜ我に武器を向ける?」
ナミネがぶぅんと、筆を一振りし構えた。
「この教団を滅し、私の過去を断ち切るためです」
「なぜ今更そんなことを」
「どうだっていいでしょう。そんなこと。魂界花:絵描世界」
一度世界を開き、それを心の中に凝縮する。
「はっ!」
筆を一振りし、龍を描く。
それが大神官に向かって突撃していった。
しかし、大神官に着弾するまえにその龍は霧散し消えた。
「ふん!」
その霧となった龍の中からナミネが飛び出し、筆を大神官の頭めがけて振り下ろした。
大神官はそれを腕で受け止めた。
「あなたがわざわざ近接戦闘を仕掛けてくるとは」
「別に好き好んでこうしてるわけじゃない。ただ、わたしの能力はあなたのそれに対して不利」
「それがわかっていて1対1を仕掛けてきたのですか。愚かですね」
大神官はナミネを体術でいなし、壁に吹き飛ばした。
「上京したいと言い出したあなたに、戦い方を教えたのは私です。そんな私に勝てるだなどと、よく思いあがれましたね」
「はぁ……、はぁ……」
ナミネは地面に立てた筆を支えに立ち上がる。
「言ったでしょう。これは過去への清算なのだと……。例え私が死んでも白様たちがどうにでもしてくださる。私は自分が納得するまで、自分と戦うのみです」
「それは勿体ないなぁ。お前は、体だけは極上だ」
大神官は舐めるような目でナミネを見る。
「下衆が……」
「我らはそういう民族だろう。どうだ? 我の愛人の一人となるというのは」
スウン!
突如、ナミネが書いたナイフが大神官の顔を潰すかのように飛んでいく。大神官はギリギリのところでよけた。
「貴様」
「そんなことになるくらいなら、死んだほうがマシです」
「……よかろう。ならばその体。全て食らいつくしてやろう」
ナミネは次々と武器を作り出した。




