ペイントフェスティバル
ナミネが取り出した武器、それを最初は箒だと思った。魔女が乗ってそうなやつ。
でも違った。
「筆?」
取り出した武器は巨大な筆だった。
それをぶんぶんと振って宙に線を描いていく。
「なんだ?」
愛歌の言霊魔術で書く文字みたいな感じか?
「見て驚け! 魂界花:絵描世界っ!!」
一瞬、ナミネを中心に絵具で全てを塗りつぶしたような異様な空間が展開された。そしてその空間は急激に縮まっていき、またナミネの中に凝縮された。
「ひひっ」
すぐにまた空中に葵線を描き始める。するとそれが巨大な龍に姿を変え始める。
驚く間もなくその龍が俺を咥え、空へと飛び始めた。
「つっう!」
牙が横腹にめり込んでくる。手で必死に抑えるが思ったよりも力が強い。
「愛歌! さっきのはなんだ?!」
『わかんない! なんだか、ここではない、いわば虚数空間に一瞬取り込まれたみたいな、そんな感じだったわよ!?』
虚数空間? 俺は動いた気が一切しなかったんだが……。
ああ、あのナミネから作り出された世界みたいなやつのことか?
「じゃあこいつは?! どうすればいい?」
『そいつ自体に耐久力はそんなにないわ! ある程度のダメージを与えれば霧散するはず!」
そう言われて、思い切り龍の頭を叩いた。すると確かに青い霧となって消える。だが……。
「おわ!」
いつの間にか雲の上にまで登った後になげだされたもんだから、急な浮遊感に一瞬戸惑った。
水闘気力を使って何とか着地する。
「くっそなんだあれ!」
ナミネがいた公園の方から、色とりどりの奇妙な化け物が量産されていく。
「白クン! ちょちょ! これなに?!」
「知るか! ナミネの能力だよ! うおあ!」
「うわあああ!」
恐獣のようにでかい怪物に追いかけられながら話す。
「えナミネチャン? なんで戦ってるの!?」
「あいつがこの町に潜んでたジンマ教団との内通者というか、そんな感じの奴だったんだ!」
「はあ? なに? どゆこと!」
「詳しいことは終わってから話す!」
ジャンプして飛び上がり、怪物が自分の下に来た時にその首を叩き落す。また霧散し消えた。
「とにかく、こいつら強いが、耐久力はそうでもない。さっさと潰しまくるぞ」
「了解」
俺たちは化け物たちを潰して回った。




