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ハイカラな街で(4)

書いているうちに思ったよりセンシティブな方向に行ってしまいました。そこまで過激な描写ではないと思うのですが、苦手な方はお気を付けください。

 ネオンと町の光で眩しい夜の町。その薄暗い路地を歩いていく。


「ちっ、ったく。この町は夜中までずっとうるせぇな……」


 もう日付が変わるころだというのに、人と機械やらによって騒々しいままだった。

 人が多いとあまり意味がないだろうと、敵を待ち伏せる場所を探していく。

 自身の気質的にあまりこの町は得意ではないのだが、どうしても明るい場所を通らなくてはならない時もある。

 ガラの悪い連中がたくさんいる繫華街を抜けていると甘ったるいような独特な香りがしてきた。


「これなんの臭いだ……? あー、大麻か」


 この国は大麻(おおあさ)を家の一部そして服や装飾品として体のどこかに身に着ける文化がある。しずくの髪を結んでる紐と草履も麻でできてたはずだ。

 それだけならよかったんだろうけどね。海外、というかクレルラルから別の用法が入ってきてしまった。

 もちろんすぐに法律で禁じられたんだけど、こういったアンダーグラウンドな場所まではやはり取り締まり切れないのだろう。

 そりゃそうだ、日本とは違ってその栽培自体は禁止されていないのだから。あとは隠れて製造すればいいだけ。無くなりもしないよな。


「おい、てめぇ! 今俺にぶつかっただろ!」


 ほらな。こういう奴がいるような町じゃあ、取り締まる方だってお断りだってもんだ。

 その後何発か殴られたような気がしたが、気にせずいい場所を探した。

 

 10分ほど歩くとそのエリア内に、おあつらえ向きの神社があった。

 扁額やら灯籠やら提灯が、自分が知っているのよりビッカビカで眩しかった。が、他の所よりは静かだし、向いていることには変わりないだろう。

 そう思い石段に腰を掛けた。


 *


 しずくは一人、その町を歩き調査をしていた。


「明るく人の多い場所は避けるように、対象はそこにはいない」


 白が言っていたことを思い出し、暗い路地を選び歩いていく。

 

「うぅ……、こういった場所に一人、というのは少々心細いでござるな……」


 この町においてしずくの脅威となる存在はほとんどない。

 それはしずくも理解しているのだが、怖いものは怖いのだろう。

 気を張りながら路地を歩いていくと、喧騒の中に不自然な水音がするのを耳にした。

 その音がする方に歩いていく。

 そしてその路地の先にいたのは、地面で仰向けに倒れている男性と、その顔に座るように上に乗り下の男性の陰茎を口にしていた。


「な、な、な、何をしているのでござるか?!!!」


 それはその犯行に対しての言葉、というよりも、しずくの中の辞書にはない行為に対しての疑問に近い。


「ちぃ。あーもう! まだ()えてないってのに!」


 そういってその女性は壁を蹴りビルの上に逃げていった。すぐに今のが二重者という奴だったのだと気付いた。

 しずくは地面で気絶していた男性の脈と呼吸の有無を確認し、すぐに女性を追いかけた。

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