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デモル京の街中で

「そう、ですか……。取り逃がして……」


 翌日ナミネの家に行き、事の顛末を説明していた。

 愛歌はデモル京に帰ってくるなり、ノアの下へ戻っていった。


「ああ、すまなかったな」

「いえ、あの子を助けていただけただで十分活躍してくださいましたわ」


 失踪事件の被害者を一人でも減らせたのは幸いか。


「皆様はあの子が襲われそうになっていたとおっしゃっていましたね」

「ああ」

「でしたら犯人はやはり、ジンマ教団とみて間違いがないでしょうね」

「……そうか」

「そんな事より!」


 アルノが大きい声を出す。


「なんで? なんであの女がいたの?!」

「トリカのことか?」

「そうだよ! あいつにフラウロウではたくさんの友達が殺された! ファアニイが殺されたのだって半分あいつのせいだし、ガイールが冒険者をやめることになったきっかけだって!」

「ああ……、そうだったな」


 怒るのも当たり前か。


「でも危なかったでござるよ。拙者がひきずって帰らなかったら、どうなっていたか……」

「いや、それは本当に面目ない……」


 ……もしかして、それで愛歌が来るの遅くなったとかないよな?


「というか、しずくも人のこと言えてないんだからな」

「えへへ……。面目ない……」


 まったく、わかっているのか……、こいつは……。


「とにかく、さらに彼らの動向を私も探ってみますわ」

「ああ、頼んだ」


 ナミネの家を後にした。


「ボクはこのあと、酒場に行って依頼を探してみようかと思うんだけどどうする?」


 大内裏から出た後、アルノが訊いていた。


「今日一日はゆっくりしようと思ってる」


 しずくの体の治療も明日には終わるだろうからな。


「わかった。じゃ、また何が動きがあったら一緒に。じゃあまた後で」

「ああ」


 アルノが街の喧騒に消えていく。


「さて、暇だしだんごでも食いに行くか」

「やった! いいのでござるか!」

「もちろん」


 近くのちょっと路地に入った川沿いの静かな茶屋にいく。


「おや、白さん、しずくさん、こんにちは」


 表にはセキヤミがいた。


「いいのか? 官僚がこんな昼間っから茶なんか飲んでて」

「あはは。こう見えて、私はサボるのが好きなんですよ」


 それで最高位なんだから、優秀なんだろうな。

 お茶と団子を注文し、セキヤミの隣に座った。

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