白 VS トリカ(2)
ドゴォオオンッッッッ!!!
さっきまで梯子が掛けられていた狭い穴が爆発したように粉塵を上げる。
その先の宙には吹き飛ばされた俺。脱出しようとした俺をさっきの仕返しとばかりにトリカが蹴りあげたのだ。
何とか物陰に隠れつつ地面に着地する。
ドゴォン!
隠れていた壁を壊される。
「きゃはは! もう休憩? でも見つけちゃった」
そのまま腹部に蹴りを入れられて、俺が隠れていた壁を突き破り体が吹っ飛んでいった。
「くっそ。無茶苦茶しやがって」
近接じゃ不利だ。力負けする。
そう思い剣を手放し全て宙に浮かす。代わりに手には弓を握った。
廃村の中を走り回りながら矢を番える。同時に矢には魔術を流し込んだ。
動き回りっていく中、瓦礫と瓦礫の間からトリカを視認できた一瞬を突き弓を放つ。
着弾したその瞬間、大きな爆破を引き起こした。
「きゃはは! みーっけ!」
粉塵と火が上がる中、ボロボロになった服で手足を脱力させながらこちらに近づいてくる様はまるでゾンビの様だった。
「やっぱ、あれくらいじゃダメか」
分かってはいたが、そう簡単には逃してはもらえないらしい。
一度弓をしまい、こんどは6本の針をとりだし、拳を握った時の指と指の間に持つ。
全てに気力を流し込んだ。
「ふッ!」
またトリカを視認できたタイミングで、針一本をなげる。
霊術で軌道を敷き、その上で俺の魂源:流動を付与してある。つまり音速を大きく変えた超スピードでそれは飛んでいき……。
ズシャアッ!
トリカの右肩下を貫いていった。
「ちっ。心臓は外したか」
もっとも、擬似超人が胸部を破壊した程度で死んだもんか怪しいところだが。
「面白い事してくれるじゃん! まさか、あなた程度に血を流させてもらえるとは思ってなかったよ! きゃはは! あはぁ……、本当に綺麗。この真っ赤な液体がどの人間にも流れてるんだね。そう考えたらとって神秘的で、扇情的……」
そういいながら一人で嬌声をあげている。
「じゃあ一人で自分の手首でも斬り落としとけよ」
流石に気色悪いと思いながらつぶやく。
「いいねぇ! それ、日課にするよ!」
突如横にすっ飛んできたトリカ。鉈の大振りをギリギリのところで躱し、針を投げ牽制する。
次に銃に持ち替え、数発の魔術を撃ち出した。
至近距離で爆発する魔術を放つ事で、その爆風でまた距離を取った。
『ちょっと! まだやってるの?!』
そしてまた物陰に隠れたとき、愛歌の声が聞こえた。
「ちょっと頭おかしいのに絡まれててな。あいつらはちゃんと逃げたんだろうな?」
『もちろんよ』
「なら良かった。俺達も早いとここんなとこおさらばしよう」
愛歌が来たのならなんとかなる、と剣を握りなおした。




