第3話:遺跡探検!(10)
「これは……、はい……。アレの可能性がありますね」
「やはりか……」
私たちはあの後、村に戻って遺跡で見つけた宝石を見せた。
最初は遺跡を調査していたならよくあることだ、という風な空気だったけど、よく観察してもらって雰囲気が変わった。
「少々お待ちください」
そういって数分後エルフの男性を連れてきた。
それで宝石をよく観察されさっきの会話になったってわけだ。
「何か特別な物なんですか?」
「まだ確かではありませんが……」
エルフの男性が口を開く。
「かつて……、世界戦争以前に存在していた古代エルフ王朝。その時の国宝とされていたルーナムストーン。それにそっくりなんです」
ほう……?
「本来この国では冒険者が遺跡で発見した宝石などはその冒険者に帰属します。ただルーナムストーンは扱いが難しいんです」
こんどは村長が口を開いた。
「ルーナムストーンは我らエルフにとって大きな意味を成すものなんです。現代の冒険者にはほとんど知られていませんが、今でも大量の懸賞金がかけられているほどです」
「というわけでまずは国にこの宝石を預けなくてはなりません」
二人が順に説明してくれる。
「えーっとつまり、これがルーナムストーンだったら私に懸賞金が入って、そうじゃなければこれ返ってくるってことですよね?」
「はい」
なんだ。デメリットほとんどないじゃん。
「じゃあ、お願いします」
「お任せください、手続きもしておきますよ」
私たちはもともとのクエストの報酬をもらい、その村を後にした。
書き込み始めて一か月がたちました。
ここまで読んでくださっている方、ありがとうございます。
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