たまゆら童の笑い声(5)
しずくと共にアルノを追って林の中を一定の距離を開けて歩いていく。
アルノの手を引いていく者は見えなかったが、その周囲には人魂の様な青白い炎が浮いていた。
そしてついた場所は案の定……。
「あの森に入っていくでござるな……」
昼に行った神社のある森、その中の闇にアルノは消えていった。それを見届けて俺たちも追っていく。
「こ、ここに行くのでござるか……?」
鳥居の前にまでくるとその先は、昼とは違い完全に闇で覆われていた。
「行くしかないだろ」
そう言いながら歩き始めた。月明かりで辛うじて足元は見える。
光源魔術は便利だがあれは目立ちすぎる。霊ならまだしも、もしも人間の敵がいた場合も考えて、あれの使用は控えたほうがいいだろう。
「ちょ、ちょっと待ってほしいでござるよぉーー!」
叫びながら後ろからしずくが付いてきた。
「ぅぅぅぅ……」
震えながら俺の左腕に引っ付いてくる。
「…………………………」
震えるたびに、小さいながらも確かにあるその膨らみが腕に触れる。
それに対してどうってことはないんだが……。
(えっと、これは師匠として気を付けるよう指摘すべきなのか否か……、ちょっと判断に困るな……)
そんな事を考えていたら、階段を上り切っていた。
そことお社との参道の真ん中に、ポツンと一人アルノが立っていた。
青白い光もなくなっているかと思えば、動く様子もない。
「仕方ないな……」
アルノに近づいて肩を叩く。
「ぎゃああああああ! うわ! 白クン! び、びっくりしたなあ! もう!」
急に我を取り戻したように、アルノは大声で叫び暴れた。
「ししょー。それ、拙者にもやめてほしいでござる」
「あー気を付けるよ」
「あれ? ボク、なんでこんなところにいるんだっけ?」
「ここにいる幽霊か何かに連れてこられたんだ」
「えええ?!」
はあ、さっきまでの静かなままにしておけばここまでうるさくなかったかもな。
「で、で……、その幽霊っていうのは? どこに?」
「ここだよ」
そのアルノの問いに俺でもしずくでもない声が答える。
そちらを見るとさっきまでいなかった半透明の少女が立っていた。




