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もう一方の師弟

世間ではこれが投稿される7月5日は、世間では大災難が来るだのなんだのと言われる日になっていますね。

マヤの予言然り、ノストラダムス然り、有名になった予言って基本当たらないと思ってるので今回も何もなく過ぎてるのだろうなと6月末の僕は勝手に思っています。が、それを機に防災の意識を高めなきゃとか改めて思わせてくれるので、それはありがたいなと思う今日この頃です。

 しずくに刀を買った翌日、泊っている宿の庭に出ていた。

 何もしないのも申し訳ないし少しは修行をつけてやらないとな。


「さて、早速始めていくわけだが」


 しずくは目を輝かせて俺を見つめてくる。


「まず最初に言っておくべきことがある」

「なんでござるか?」

「俺の剣には流派や決まった型がない。ほぼ我流だ」


 もともと俺は剣どころか戦闘の才が無かった。超人だから身体能力が少し向上していた程度だ。

 人並みに扱えた武器も銃や弓といった遠距離武器ばかりで、近接戦闘には困ったため仕方なく剣を使っている。今では必要に駆られてある程度は使えいこなせるようになったが、やはり得意とは言い難い。

 俺の師匠に当たる人と研究に研究を重ねた結果、現在の"何もできない"ことを長所とし、"武器・環境などその場で使えるものはすべてを使って勝ちを狙う"という闘法に至った。


「故に剣術として教えられることはほとんどない。俺が教えられるのは教養や魔法・気力といった一般的な技術に始まり、心構えや考え方。そしてお前の個性を見つけてお前と一緒にどうそれを伸ばしていくか、どう活かすかを考えることくらいだ。その中で、しずくが自分で何かを吸収してくれたなら嬉しい」

「承知したでござる」

「さてそれを前置きとしたうえでだが、俺の闘法はさっきも言った通り、敵を翻弄することにある。そのために俺は二つの戦闘スタイルを切り替えてる」


 一つが凪の構え。

 静かな水面のように、敵の攻撃を受け流すことに集中することで敵の隙を探すスタイル。また敵の癖や弱点を探ることを目的ともする。

 もう一つが時化の構え。

 荒れ狂う波のように敵を飲み込むように、連続性と不可測性を持つ攻撃型の構え。跳躍、回転、加減速を用い一撃必殺よりも“流れ”で敵を翻弄することを目的とする。


「今日はまず、しずくの魔術霊術の概要と練習、魂見式をやったあとその二つの考え方、動きの概要を教えようと思う」

「はい、師匠!」


 さっそく修行にかかった。

 まず、しずくはほとんど魔力を持ち合わせていなかった。それはもう珍しすぎるくらいに。

 ということで魔術の使用はあきらめることにした。

 霊術はもともと自然に危機の感知や空間把握能力はかなり使っていたようだが、それ以外の霊術はからっきしみたいだ。まあどっちも剣術の才能で帳消しにできると思う。

 そして魂源だが……。


「水流と洗浄ねぇ」


 本当に俺と似たものみたいだな。

 不思議なこともあるもんだ、と思った。

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