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弟子入り

 その後、セオリさんとアルノ、用を終えたらしいノアちゃん、遅れて帰ってきた白とでその場は、事態をおさめることができた。

 街の被害は比較的最小限で済んでおり復旧作業も一週間後には終わるみたいだ。改めて魔法ってすごいね。

 ただし人的被害はその限りではなかった。

 死者を少なかったものの出してしまう結果になってしまったし、それに……。


「子どもの失踪……、ですか……」


 そのどさくさに紛れて、またも子どもの失踪事件が起きてしまった。というより、それが目的で今回の事件が起こされたというのが正しいのかもしれない。

 ノアちゃんがその犯人の一人らしき人を目撃し交戦したらしいんだけど、認識阻害の術を自分にかけていたようで、どんな人物だったのか、背格好から武器まで、それすらもうまく思い出せないそうだ。


「その仮面の人物、もしくはそいつが率いるグループが子どもたちを攫った。と考えるのが妥当でしょうね」

「その仮面の奴って、もしかしたらこの街にいるんじゃないのか?」

「え?」


 思わず声を出す。


「どういうこと?」

「わざわざ自身の正体をそこまでして隠したかったってことは、それなりの理由があるはずだ」

「故にこの街の人間であると考えたわけですね。確かにその考えは当たっていそうです。外と内から破ろうとすれば、私の結界にも穴をあけられるかもしれない」


 なるほどね。

 

「とにかく、今後は街中の敵も警戒しないとな。ノア、俺たちは今後も冒険者として活動するが、お前は愛歌とこの街を頼む」

「ん」

「私には確認無し?」

「愛歌は今、俺の能力の一部みたいなものだし、自分の能力に許可は取らないだろ?」

「はあ、人使いが荒いんだから」


 愛歌が文句を言うが、まあそれだけ仲がいいって事だろう。


「白」

「なんだ?」

「私、しばらく白の冒険者活動に付き合えないや」

「? どうした?」

「……」


 まただ。

 フラウロウの頃ほどの被害は出さなかったし、被害は最小限に抑えられた。

 でも……、子どもの誘拐はどうにもできなかったとはいえ、死者の方は違う。

 もっと早く恐獣を片付ける力があれば、もっと被害を減らせただろう。

 セオリさんが使っていた剣術。セオリさんの見込み通りあれの才が私にあるのだというのなら、それを学んでみたい。

 だから。


「セオリさん。前の提案、受けてみたいと思うのですがよろしいですか?」


 正直ノアちゃんの目撃した敵のせいで、セオリさんが敵、って可能性も少し上がってしまった気がする。

 でも、なんとなく大丈夫な気がするんだよね。勘でしかないんだけど。


「! ええ、ぜひ」

「と、いうわけで、セオリさんに弟子入りしてみようと思うからさ、どんくらいかかるかわからないけど、皆とはしばらくお別れって感じかな」


 そう伝えた。


「……。そうか。俺は教えんの下手だったからな。夜空に合わせた戦闘方法を確立してやれなかった」

「あはは。それは私自身の問題でもあったから、白のせいじゃないよ」


 基礎を固められたのは間違いなく白のおかげだと思うし。


「頑張って来い」

「もちろん。白よりも強くなって帰ってきてやるんだから」

「期待してる。こっちの事はまかせろ」

「頼んだよ」


 こうして私はパーティを一時離脱することになった。

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