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恐獣襲撃(2)

 カキィン!


 路地裏に剣戟の音が響く。


「愛歌、まだわからないの?」


 ノアが自身の中にいる愛歌に問う。


『そんなこと言われたって、あの仮面の認識阻害の力が強すぎて、難しいのよ!』


 騒ぎに乗じて現れた面をつけた人間。怪しく思いノアが声を掛けたところ、戦闘になった。

 実際に目の中に入ってくる背丈、性別、声、息遣い、使用武器そういった物を認識できない。

 もちろんノアの得意とする、敵を観察し、その癖や隙を見極め攻撃する。それもできない。

 見えているはずなのに脳内で敵の全ての情報が霞がかる。

 愛歌にもどうしようもないみたい。


『本人の能力なのか、あのお面の効果なのかはわからないけど、アルノのお母さんが付けていたのとは比べ物にならない強力な認識阻害の術。そう簡単にはぎとれないわ……』


 愛歌が言った。


「はあぁ……。面倒」


 ノアはそう文句を言いながら戦闘を続けた。


 ***


 3匹目の恐獣をテレポートさせ、近くの屋根の上に降り立った。


「はぁ……。はぁ……。はぁ……。くっ……」


 急激な脱力感を感じた。闘気力をかなり消費してしまった。

 あと何回同じことができるか。


「もうすぐですからね」


 すぐ下の道からでそんな聞き覚えのある声が聞こえた。

 見るとセキヤミさんが少女を連れて避難させているところだった。

 政府もこの状態に対応しているみたいだ。


「!」


 その道の真っすぐ後ろに肉食竜が現れ、その2人を目に入れた。

 そして2人を追いかけ始める。


「! 急いで!」


 セキヤミさんが少女にそう声を掛けるが流石に限界がありそうだ。

 私はその恐獣に向かってテレポートする。

 そして座標とばしを使用するのだが。


「う……、気力が……」


 気力を完全に使い果たしてしまった。


「きゃあ!」

「?! 大丈夫ですか!?」


 見ると女の子が転んでしまっていた。

 そうしている間にも恐獣は2人めがけて走っている。


「もう!」


 限界までできる限り自身を強化して、首を斬り落とそうとする。

 今度は鱗は貫通できたが、肉が分厚く意味がない。


「まずい!」


 そうこうしているうちにもう2人が目の前にまで来てしまっている。

 強化を足に回し2人の前に出ようとしたその時だった。


「鬼月流:裂分(ひきわけ)


 そんな声が聞こえたとともに恐獣が縦に真っ二つに切り裂かれた。


「うっそぉ……」

「ごめんなさい。遅くなりました」


 その切り裂かれた恐獣のしっぽの場所には、セオリさんがいた。

 手には2mあるその身長と同じくらいの長さの刀があった。

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