一方、魔界出身の2人
家の回線がちょっとばかしおかしくなってしまい、IPv4に入れなく(もちろんなろうにも)なってしましました……。
19時頃になんとか解消し、やっと書き始めることができたのでこの時間になってしまった……。
せっかくのep301という300代の一歩を踏み出す回なのに、こんな事になってしまうとは……。
同刻……。
その町の北側の崖に、町を一望できる場所があった。
セオリはよくその場所に訪れては、夜風に当たっていた。
彼女はかつて魔界を治める者だった。
セオリすらも知らぬほどの古代からの言い伝えによると魔界とは、神が人間を作ろうとしたとき、その失敗作が放り込まれた場所だとされている。
5000年程近く前まで彼女の属する夜叉鬼が全体の統治をおこなっていたのだが、大きな戦争があり、彼女は負けた。夫を人質にとられ、人間界に追放され、たどり着いた先がこの街だ。
「そして、私のせいで生まれてしまった負の産物が、あなた、という事ですね」
その場所にノアが歩いてきた。
「負の産物と言われるのは、少し心外だけど。でも、そう」
彼女が負けた結界、魔界を支配するのは死神と純悪魔になり「魔界ノ契リ」が生まれた。
そして死神たちは人間のいる世界に出ては人を狩り、疑似超人を作成するようになった。
ノアがその一人だ。
幼い頃にかつての生活を奪われ死神の駒としての、兵器としての人生を強いられることとなった。
「きっとあなたは私を強く恨んでいるのでしょうね」
「なぜ? あなたが負けなければ、私がこんな風にならなかったから?」
「え? ええ……」
セオリは予想していたのと違っているような反応に戸惑った。
「そりゃあ、少し辛いこともあったけど……。それでも私は今これでよかったと思ってる」
「……?」
「世界を見渡すことができるあなたも、人の心までは見えないんだね」
ノアは珍しくふふっと声を漏らした。
「私はお礼を言いに来た。白と出会えたのは、今、これでよかったんだと思えているのは、あなたのおかげだから。だから変な話だけど」
セオリに歩いて近づき、そしてフードを取る。
「負けてくれてありがとう」
ノアはセオリに向かって一瞬だけ少し口角をあげた。
昼は笑うところを想像できない表情をしていたため、彼女は少し驚いた。
それと共に。
(……何千年も生きた同性の私ですら、恋に落ちてしまいそうだ)
そう思った。
ノアにとっては苦手なぎこちない笑い方のつもりだったのだが。
「言いたかったのはそれだけ。じゃあ……」
そういってノアは踵を返し、その場を後にした。
「……ありがとう」
彼女が心に抱えていた、自身に課せた罰。ほんの少しではあるがその重さが少しだけ晴れた瞬間だった。




