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第3話:遺跡探索!(6)

「……」


 何これ。

 辿り着いたその部屋の様子にそんな一言も出ないほど絶句してしまった。

 そもそも他の遺跡と違い、近未来的な作りの部屋だった。

 そしてそこに規則正しく並ぶ円柱型の水槽の様なもの。そこには異形の魔獣が入っていた。


「なるほど。これか」


 納得いったように白が声を出す。


「ケーブル引っこ抜いたり、壊したりしたら、どうなるかな」

「やめてよ。どうするの、こいつら全部一斉に動き出したら……」

「確かに、それは面倒そうだ」


 そんな会話をしながらそこを調査していると、しゃがれた男性の声が聞こえてきた。


「おやおやおやおや。こんなところにまでお客さんとは。少々驚いた」


 別の部屋から年寄りの男性が私たちのいる部屋に入ってきた。


「あーどうも。ここあんたの家? 随分と、あー、……前衛的なとこに住んでんだな」

「いや、数ある儂のラボの一つだよ。しかし、美しい部屋だと思わないか?」

「俺の趣味じゃないな」

「そうか。それは残念だ」


 いや本当に趣味が悪いよ。

 キメラ、見たことある人いる?

 見ただけでなんていうかこう、生物としての嫌悪感を感じるんだ。

 こんなのが趣味の人間がいてたまるかっての。


「おっと自己紹介を忘れていたね。儂はコードネーム"塔"。死神の札のメンバーの一人だ」

「死神の札……」

「君たちの事はよく聞いているとも。しかし、あのドラゴンを倒したものがいないではないか」

「確かにね。役不足だったら謝るよ。あれ、これって誤用だったっけ」


 今そんなことどうだっていいでしょーが。


「ふむ。君たちの力不足かどうかは今はどうだっていい。今日ところは失礼させてもらう予定なのでな」


 そういってさっきとは別の部屋に逃げようとした?


「逃がすかよ」


 白が一瞬水闘気力を使って、一気に塔に距離を詰めた。

 後ろから斬りかかろうと剣を振り上げる。

 しかし、そのすぐ後ろの壁が崩れ、何か大きな怪物が飛び出してきた。


「がぁっ?!」


 その恐竜の様な巨大な何かが、白に噛みついていた。

 顎から白の物と思われる血が流れ出てきていた。


「いってぇなぁ?!」


 白が腕力で顎を無理矢理開かせて、こちらに逃げてきた。


「大丈夫?!」

「これが大丈夫に見えるなら病院に行け」


 そういいながら自身に回復魔法をかけている。


「ちぃ。また面倒な化け物出してきやがって。塔とか言うのは後回しだな……」


 白がだるそうに声を漏らしながら、塔が逃げていくのを見ていた。


「夜空、回復するまでの数分、時間稼ぎを頼んだ」

「えぇ?! また私?!」

「ほかにいないだろ。頼んだぞ」


 星ちゃんの時も今回も、こうなるならノアちゃんとか連れてくりゃいいのにさ!

 心の中で文句を言いながら、剣を抜いた。


「やっばぁ……」


 改めて対峙するとやっばいな、こいつ。

 前にフラウロウに現れたドラゴンに比べたらでかすぎる。

 昔どっかの博物館でみたTレックスの模型、あれくらいあったんじゃないかな……。

明日もよろしくお願いします。

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