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浴場

「今の人は?」


 アルノに訊く。


「ナミネちゃんだよ。ごめんね、悪い人じゃないんだけど。若くして国の役人になったっていう自身のプライドもあってか、ああいうところがあってね」

「え、結構小さい子だったよね、働いてるの?」

「あー確か13歳って聞いたかな。この国はね、13歳で成人なんだ。働くだけなら11歳からできる。とはいえその文化を持ちながら外の文化が入ってきて義務教育は15歳までだったりと矛盾はあるんだけどね」

「じゃあさっきの子は?」

「飛び級して卒業したんじゃない?」


 あーそう言うのはありなのね。

 エミちゃんは学校に行く傍ら、家を手伝ってるとかなのかな?


「ふぅーーー!」


 前に父親の実家に帰ったときぶりの畳を寝転がって堪能する。

 なんかこうやってのんびりするの、懐かしい故に新鮮な感じが合っていいな。


「それにしてもさっきのナミネって子、優秀なのね。この国のお役人になるのはすごく大変だって聞いたから」


 愛歌が口にした。


「そうなの?」

「うん。科挙に匹敵すると思う。一応親が役人だと若い頃からその仕事に触れる事ができるってのもあってもっと簡単な試験で役人になれるんだけど、あの子はそうじゃないんでしょ? あの若さで役人に受かるのは相当優秀ってことね」


 あー、科挙って何だっけ。昔の中国の役人試験みたいなやつだっけ。

 なんか難易度高かったって聞いたことある気がする。


「しかも紫の腕輪を付けてた。役人の中でも最上位ってことね」

「そうなんだ。それなのにボクを気遣ってくれてね。慈善事業なんかもやってたり、根はいい子なんだけど、時々……、というか普段から人への当たりはきつくて……」


 へえ……。凄いなぁ。


「なんか私気に入らないことしちゃったかな?」

「さあ? あの子あれで結構気まぐれだから」

「ふーん」


 まあいいか。


「そう言えばお風呂ってある? 久しぶりにゆっくりしたいなと思って」

「あー、あと外出て少し行った先にも大衆浴場があるんだけど……」

「けど?」

「基本的にこの国って大衆浴場は混浴なんだって」

「え……」

「もうそれが普通らしいから、特に何かあるわけじゃないと思うけどね」


 ……それはちょっと抵抗あるな……。


「この宿にも浴場はあって、そこは男女別れてるから、そっちならいいんじゃない」

「なんだぁ。それなら早く言ってくれたらよかったのに」


 とりあえず、汗流してこよっと。

 そう思って、私はそこから立ち上がった。

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