第3話:遺跡探検!(4)
とりあえず開いた壁のその先に入る。するとすぐに開いた壁が閉じた。
「ここ、なんだと思う?」
「シェルターのシェルターかなにかじゃないか? あっちが攻められたとき用の」
「なるほどね」
いいねいいね。ちょっと楽しくなってきちゃった。
「遺跡探検って感じが出てきたね。例えばこういう床の石畳の1マスが隠し扉のスイッチだったりするんだよね」
そういって踏むと、少しその石畳が沈んでカチっという音がした。
「へ?」
「おい」
小さな揺れと共にゴゴゴゴゴという低い音が鳴り響いた。
嫌な予感がして上を見ると天井が近づいてきているように見えた。
「あー、嫌な予感」
「走れ!」
二人で全力疾走する。
見間違えじゃない。確実に天井が近づいてきている。
ダメだ、このままじゃ間に合わない。
「嫌だ! こんなB級パニック映画みたいな遺跡トラップで死にたくない!」
「ったく」
白は呟くと私の身体を抱えた。
水闘気を使用したらしく、急加速する。ギリギリの所でそこを抜けた。
「しっかりしてくれよ」
白が私を下していう。
「ごめんて。はぁ……」
息を整えるために壁の窪みに手をかける。
ガコン。
するとその窪みが下にへこみ、嫌な音がした。
「……」
白がジト目で私を見る。
「何も言わないで……」
ザー、っという、砂らしきものが大量に流れ込んでくる音が聞こえた。
「じゃあ、やることわかるよな」
「走れ、でしょ」
「そうだ」
またも全力疾走。
砂が迫ってくる方とは逆の方に逃げる。
岩が転がってくる、水が迫ってくる、そういうのならどうにでもできたのに、生き埋めになっちゃどうしようもない。
終わりのないようにも感じてしまう廊下を走って、横に階段をみつけたので駆け上がり、通路との間の天井を壊し塞いだ。
「はぁ、疲れた……」
疲れて座って壁によりかかると、その壁の一部が倒れ奥の落とし穴に落ちてゆく。私もバランスを崩し瓦礫と共に落ちてしまった。
「あ、やばい終わった」
下に剣山が見え、落ちれば串刺し。それがわかると逆に冷静になりそんな声を出してしまった。
そして目と鼻の先に巨大な串が見えたとき、私の動きが止まる。白が鉄線で私を捕まえ助けてくれたらしい。
すぐに引き上げられた。
明日もよろしくお願いします。




