VS巨大ロボ(1)
「それにしてもどうするの? 対策って言ったって、あんなのが相手じゃ……」
私たちの攻撃が通用するのかもわからない。
「帝国の逆襲ってあったろ?」
「スター〇ォーズの? あー、あいつを転ばせればいいってこと? スパイ〇ーマンもやってたね」
「そうすれば、時間は稼げるよな」
「稼げるよ? で、どうするの? 壊せる?」
「まあ」
そんな話をしていると、愛歌が戻ってきた。思ったより早かったな。
「どうだ? 内部からのショートとかは可能か?」
「無理ね。中に入り込めない」
「え、どういうこと?」
霊体の愛歌が入り込めないって?
「表面がテスラニウムでできてるのよ。それを利用した装置が働いてて侵入が妨害されてる」
「ちっ。またあの金属か……」
白が嫌そうに言う。
「テスラニウムって?」
アルノが聞いた。
「この世界で言うと虹金鋼ってやつよ」
ああ、またあれか……。
厄介だなぁ……。
「ってかそれじゃ壊せなくない?! どうするの?」
「いや、俺なら壊せる」
白が言った。
「え?」
それに驚いたのは私たちじゃなく愛歌だ。
白の能力を完全に把握している愛歌が驚いてるってことは不可能だって思ってるってことだ。
「いや、そりゃ、難しいんじゃない? 一部破壊しても修復するわよ?」
「だから一気に消滅させればいいんだろ?」
「えとまあ、そうなんだけど」
「じゃあ、行ける。その代わり時間がかかるから足止めお願いしたいんだ」
「あー、死神の札と戦った時と一緒ってことだよね?」
「ああ。もう少し時間かかるが」
はあ……。あれ相手に?
「わかったやってみる。できるだけ早くお願いするよ」
「わかってる」
「え、マジ?」
アルノは躊躇している。
「私たちしかいないんだから、ほら行くよ」
「わかったよもう……」
私たちはロボットのとこに向かって、城の瓦礫を走っていった。
*
「ケラウノスを使ったって、あれは破壊できないわよ」
「そんな事はわかってる。もっと上の技があるんだ」
あまり使いたくはないんだけど。
「白」
まだ残っていたノアが話しかけてきた。
「なんだ。まだいたのか。夜空たちを手伝ってきてやってくれ」
「わかってる。でも私は"アレ"をやるのはあまり賛成できない」
「仕方ないだろ。あれが街に行ったら、それこそこの国は終わりだ」
「……わかった。でも無理しないで」
「そっちもな」
ノアが飛んでいく。
「それで? まずはどうするの?」
「まずはケラウノスの準備をする。話はそれからだ」
「ふーん。わかったけど、私は?」
「俺の中で、魔力と気力の制御を頼む。下手したら俺の体が吹き飛ぶから」
「……そりゃノアちゃんも心配するわね」
俺は技の準備をした。




