合流
「誰だ貴様は!」
天井から降ってきた者によって兵士が一人倒され、その隣にいた兵士が叫ぶ。
しかしそいつに蹴飛ばされると、一発で気絶させられてしまった。
「くっそ! 侵入者だ! 応援を求む! ……あれ?」
「とっくにジャミングしてるよ」
そう言って残りも倒されてしまった。
「白、ありがとう。計画通りだね」
そう、上から降ってきた人物というのは白だったのだ。
やっと合流できた。しかし再会を喜んでいる暇はない。
「フェイサート? もういいよ。私とノアちゃんの枷だけ外して」
『了解した』
ガシャン。
死神の枷が地面に落ちる。
「まったく、無茶する。死神の枷つけたまんま敵地に乗り込むなんて、自殺行為だ。俺が合流できなかったらどうしてたんだ?」
「最悪今みたいにフェイサートが外してくれるから、それで何とかなってたとは思うんだけどね」
ちょっと楽観視しすぎかな、それは?
急に刺されちゃどうしようもなかっただろうし。
「ま、白を信じてたから、私はさ」
「……。そう言われちゃうと、なんも言えないけどさ」
「あ、照れてる?」
あはは。
こういうとこは可愛いんだけどな。
「ち、お前、少し合わないうちに性格悪くなったか?」
「かもね」
「そんなこと話している場合じゃないでしょ。このあとどうするの?」
ノアちゃんがイライラしたように聞いてくる。
「契約の石は玉座の間にあるらしい」
「え」
「何か問題か?」
「いや、アルノと思ったより早く再開することになりそうだなって」
「そうか
ノアちゃんがイライラしたように聞いてくる。
「契約の石は玉座の間にあるらしい」
「え」
「何か問題か?」
「いや、アルノと思ったより早く再開することになりそうだなって」
「そうか。そこにいるのか」
会話をしながら、廊下を警戒し歩いていた時、カンカンカンカン、という警報が城中に鳴り響いた。
「え、なに?」
「たぶんフラエル皇国のエルフたちだ」
「え、あの人たちが来てるの?」
「ああ」
「で、この警報は?」
「これからこの城は戦場になるわけだろ? 少しでも避難してくれればと思ってな。幻術で火事を起こしてるらしい」
あー、それでできるだけ多くの人を逃がすためってことか。
「そんな激しい戦闘にはしたくないけど……」
「そうなんだけど、ちょっといやな予感がしててな」
「嫌な予感?」
「前にこの城の地下を調べたんだけど、そこで多くの人間を使って誰かが巨大な何かを作ってた。結局あれが何かはわかってないんだけど、念のためな」
巨大なってことしかわかってないの?
こわ……。




