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遺跡の上層の部屋

 キィーーーンっ!


 廊下と廊下の交差点で白が響鳴石を鳴らす。


「そことそこ、あとあの辺もだな床が少し弱くなってる」


 地面を指さしながら言った。

 

「じゃあ、こっちの廊下が安全そうだな、ちょっと待ってろ」


 キーセルって人が走ってそう言っていた廊下を壁を蹴るように凄いスピードで駆けて行った。偵察に行ったらしい。


「えっと、あの人はどういう人なの?」


 ノアちゃんに耳打ちして聞いた。


「人間とあまり関わらず会った時は森の中で一人暮らししてたってきいた。ゲリラ戦とか、狩りが得意」


 へぇ……。

 

「ちなみにヴィナさんは?」

「槍が得意な魔術師」


 隙ないじゃんそれ……。


「どこかの民族からのはぐれもの。なんかあって自分たちの民族を出てきたって」

「そりゃあどっちも別世界に行っても問題ないわけだよね」


 もう二度と戻れないかもしれないのに自分の世界を飛び出してくるってどんな人かと思ったけど。そういう事情があるなら納得だ。

 それにしても随分と大所帯だな。3人から5人に増えてるし。

 普段にしたってうちのパーティは4人なわけだけど、愛歌は大抵白の中にいるから視覚的には3人に見えてたし、こうみるとやっぱ人数多いなと感じる。

 そんな事を考えているとキーセルが帰ってきた。


「やっぱこっちは安定してそうだな」

「じゃあ、まずはそっちから調べてみるか」


 そういう話になり、私たちは進んでいった。

 ここ数日でわかっていたことだけど、この遺跡の中は魔獣がいなくて助かってる。

 調査は進めやすい。


「こっちだ」


 白が響鳴石を鳴らし、その先にキーセルが偵察に行き、大丈夫そうなら私たちも向かう、というのを繰り返していた。

 

「ノアちゃんはああいうのやらないの?」

「もちろん私もできるけど、キーセルの方が得意だから」


 ふーん。ノアちゃんも割と信頼してる人なんだなぁ。


「なんかお前ら今日、仲いいな」

「え? そうかな?」


 うーん、ここまで仲良くなかったのかな? 私たち。


「まあいいんだけどさ」


 さらに進んで行くと。


「ん? ここっぽいぞ」


 白が壁を壊すと先に新しい道が現れた。


「おお……」


 その先に進んで行くとちょっとした広間があって、その先の台座らしきところに綺麗な石が置かれていた。

 この部屋はかなり上層の方らしく、外の光が差し込んできていた。

 

「やっと見つかったな。やつらより先に確保できてよかった。それじゃ……」


 ゴゴゴゴゴゴゴ…………。


 急に地面が唸り声を上げ始める。

 

「あー、嫌な予感」

「そろそろ噴火するかもって言われてたしな……」


 どうやら火山が活動を始めてしまったらしい。


「あー、じゃあ。走って逃げようか」

「はぁ、もう。なんでいつもこうなるの?!」


 ヴィナさんがそう呟いたとこで、私の意識は途絶えた。

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