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火山へ

「あははははははは。とするとつまり、国を乗っ取る計画を立てているということかのぉ?」

「俺も耳を疑ったよ。そこまで他の世界の政治やら体勢やらに口出しする超人がいるかっての」


 愛歌にクレルラル政府にもバレず、盗聴もされないよう秘匿の回線を作ってもらい、エルリフィと通話していた。


「まあ、いいんじゃあないかのぅ。かねてより妾もあの国は気に入ってはおらなんだ」

「おいおい。天帝様ともあろうお方がそんなこと言ってていいのか?」

「妾はもう天帝ではないと言っておろうが。そうであったとしても、プライベートでの妾がどんな発現をしていようと咎められる筋合いはなかろぅ?」

「そりゃ、咎めるやつなんていないでしょうよ」


 上皇というか、ほぼ神様みたいな扱いの奴なんだから。

 今でさえ自分の発言力や影響力を認識してほしいもんだ。


「で? この作戦を成功させること自体に文句はないのか? 気に入らないとはいえ、親交のある国だろ?」

「別段異論はない。アルノであれば未熟ではあるが立派に勤め上げるであろうよ。むしろ話の通じるあやつであれば、妾たちもやりやすくなるというものだ」


 それって癒着とかっていうんじゃあ……。


「それにクレルラル政府には既に敵組織の手が深いところまで及んでいるということであろう?」

「おそらくな」

「そういう腐った組織というのは、一度リセットでもしない限り、簡単には治らんさ。お主にも覚えがあるのではないのかのぅ」

「……確かにな……」


 前の世界での経験を思い出す。


「まぁなんにせよ、ミファにもこの話は伝えておこう。進展があればまた教えてくれ」

「わかったよ」


 そういって通信を終えた。


「エルリフィって本当に美声ねー。声帯コピーさせてもらえないかしら」

「やめろ。お前はそのままでいいよ」

「あら、それって褒めてくれてるのかしら? 珍しいじゃない」

「馴染みがなくなるって話だ」

「照れちゃってもう」


 とにかく、こっちはこっちでできることをやらないとな。


   *


 敵を振り切った後、レインズの街に一度立ちよった。

 そこで白からお金を送金してもらい、準備を整え火山に向かった。


「俺は外で待機していればいいんだな」

「そういうこと」


 私たちはアバスさんに教えてもらっていた、忘れられた坑道から火山の中に入った。


「はぁ……、またここに戻ってくることになるとは……」

「仕方ないよ。がんばろ」

「そうだね」

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