ゲーム③:クロノスペクトル(2)
役一覧(弱い順)
ハイカード 役なし。最も強い1枚のカードで勝負
ワンペア 同じ記号が2枚揃っている
ツーペア 同じ記号が2枚ずつ2組揃っている
フォーシンボル 4種類すべての記号が揃っている
カラートリオ 同じ色が3枚揃っている
フォーカラー 4種類すべての色が揃っている
シンボルフラッシュ 同じ記号が4枚揃っている
エレメンタルマスター 同じ色が4枚揃っている
パーフェクトバランス 色も記号もすべて異なる
カードの強さ
赤>青>緑>黄 > ●>★>◆>▲
『両者カラートリオ。プレイヤー1赤の役、プレイヤー2黄の役。よってプレイヤー1の勝利です』
機械の台が無情に告げる。
「今日は調子いいな」
自分の光環チップの上の数字が減っていく。
(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ…………!)
心臓が早くなっていく。
(1500。もう1500だ。あと1ラウンド負けたら終わる……!)
最初の2、3回は勝てていたがそこから負けが続くようになった。
(やっぱ、こんな勝負受けるんじゃなかった)
そもそもなんで私が……。
いや、それは消去法になったんだった。
アルノはやっぱこういうのは向かない。
その上でノアちゃんも、自分の認知能力や身体能力を使う事の出来ないゲームは向かない、ということで私がやったんだ。
でも。
(やっぱこんなの無理だよぉ……)
このままだと負けて全員揃って冒険者から売春婦に転職だよぉ……。
そんな風に絶望している間にも次のラウンドは進んで行く。
震えを抑えて手札を確認する。
(赤●、青★、青●、緑◆。だめだ。こんなんじゃ、まともなの揃えられないよ)
行けてカラートリオ。
だが。
「5000、ベットだ」
気づいた時にはすでにカードの交換も終わらせていた相手の男性はダメ押しにと、とんでもない量をレイズしてくる。
それだけ自信のある役ってことだろう。
「フォールドしたっていいんだぞ。まあ、その時は君の負けが決まってしまうがな」
男はニヤニヤと笑いながら言う。
「はぁ……、はぁ……」
過呼吸になる自分の息の音がうるさい。
「ぐ……、もう……」
負けを認めるしか……。
「夜空」
頭がおかしくなりそうになっていた時、ノアちゃんに肩を叩かれ声を掛けられた。
「落ち着いて、夜空」
「ノアちゃん?」
いつもにはない、少し優しさの混ざる声だった。
それを感じ取れるのは長く一緒にいた仲間だからかもしれないが。
「あなたは勝つ。私にはわかる」
「え?」
何言ってるの? ここから勝つ方法なんて……。
「だからあなたは自分の欲する結果を望めばいい」
「欲する結果を望む、って……、そんなの……」
「じゃあ、こうして。もう笑っても泣いてもこれで最後。そのつもりで、やれるだけのことをやればいい」
「…………」
まあ、そうか。どうせ負けるなら最も可能性のある手を打とう。
(赤●、青★、青●、緑◆。カラートリオ。もいいけど……、●を▲にできたらシンボルフラッシュだ。それに、そうだ。青を変え黄が来てくれればエレメンタルマスターだし……、青●を黄▲にできたなら……)
パーフェクトバランス。もっとも強い役。
これだけは特別で、ポットの中に入っているベットのさらに倍を相手からもぎ取れる。
つまりポットの中に2000ある場合、さらに相手のスタックから4000を、合計6000チップを受け取れる、というわけだ。
もしこれが揃えば私は、このラウンドでの勝利が確定する。
さっき相手は5000もベットしてしまった。今ポットの中は7000、相手のスタックは13000だから、次のラウンドの参加料を払えなくなる。
ただ……。
(もし、黄も▲も来なければ、その時点で逆に負けが確定すると考えていい。最悪ハイカードだから。黄色であればこのラウンドは勝利。▲なら、あいてがエレメンタルマスターかパーフェクトバランスでない限り負けない)
これは賭けだ。
ここまでツキが回ってこなかった私に、勝てるのかどうか!
私は。
「ノアちゃんが信じてくれてる、私の勝ちを信じるっ!」
私は青●を交換に出した。




