武器コレクション
目を覚ます。
板張りの天井が目に入ってきた。
「ここどこ?」
体を起こし辺りを見渡すと、そこは薄暗い部屋だった。
「誰もいない?」
同じ部屋にはベッドがいくつかあったが、誰もいなかった。
しかし、誰かが寝ていた痕跡だけはある。
起き上がって隣のベッドを触ってみるが、ひんやりしていた。
「誰かがいてから、それなりに時間は立ってるってことか」
とりあえず、近くに危険な物がある感じはしない。
それに。
「あれ、死神の枷がない」
まあ助かるんだけど。
とにかくここを探索してみようかな。
その部屋のドアを開けて、廊下に出る。
どこも木で覆われてるのを見るとログハウスか何かみたいだ。
「―――、―――」
「―――」
部屋から出て右を見ると上に続く階段が見え、そこから光が漏れていた。
そしてその反対側の薄暗い方から話し声が聞こえた。
声の位置から察するに、突き当りにある部屋からの様だ。
歩いてそこまで歩きドアを静かに開いてみる。
「誰?」
すぐに中にいたノアちゃんにバレて睨まれた。
「あ、はは。ごめん」
中に入った。
そこにはノアちゃんと他に知らない中年くらいに見える女性がいた。
「えーっとどうも」
「どうも。うん。異常なさそうで何より」
おおらかそうな話し方だった。
「えーっと助けて下さった方、ですかね?」
「そうだねぇ。詳しいことはあとでね。今は」
「今は私の趣味に付き合ってもらってる」
ノアが言った。
「趣味?」
「武器集め」
へぇ……。ノアちゃんらしいというか、なんというか。
「これなんかどうだい?」
そういって、そこの中から何かを取り出してきた。
「わぁ、綺麗な小太刀」
「まあまあ名の有る武器でね」
「うん。綺麗だけどこういうのはいい」
ノアちゃんが言った。
「レアな物が欲しいんじゃない。種類を多く集めたいから、この世界独特の武器なんかがあると嬉しい」
「そうかい。ちょっと待っててね」
そういってその倉庫の奥に言ってしまった。
「私たちの世界の武器も集めたの?」
「愛歌からいくつか貰った。銃を数十種類と弾丸、あとは戦車とか小型ミサイルとか、近代兵器と呼ばれている物をいくつか貰った」
いやいやいやいや、何やってるのあのお嬢様は?!
個人に所有させていいものじゃないでしょ。
「けど、そんなにたくさん持ってどうするの?」
「私は昔から、武器という概念の下に生まれてきたものであれば達人レベルで扱える。魂源:共鳴の能力」
へぇ、それはいいなぁ……。




