悲報? 朗報
「いっっっったぁっ?!」
ガコンッ! と足元の穴が開いた音を聞き強い浮遊感に襲われた。
しかし俺は生きていた、というか、地面に強く激突し足を捻挫しかけた。
「白様大丈夫ですか?!」
「大丈夫なもんか。死神の枷で弱体化してんだぞ!」
そう文句を言いながらその声の主の方を見た。
「えーっと確かあんた……」
確か大樹でみたエルフだったと思うけど。
「フラエル皇国、近衛兵団長のレイです」
「近衛兵がこんなとこ来てていいのか?」
「あちらにはエルリフィ様がいらっしゃいますから、私どもは暇を持て余していまして。いや、そんな事よりも」
そういいながら、俺の枷を剣で壊した。
『あれ? 私何を……?』
俺の中で愛歌が起きたのを感じた。
「とにかく詳しいことは後で。今は逃げましょう」
「ああ」
俺はレイの誘導に従い、その場から逃げ出した。
*
―――翌日
「ねぇこれみて!」
翌昼、準備のために買い出しに出かけたアルノが新聞を持って帰ってきた。
それを机に広げた。
「泣いてるの?」
アルノの顔の周りが真っ赤に腫れている。
「これみて」
促され文字を読んだ。
『罪人の死刑執行』
その文字と共に白の写真が貼られている。
それを見た時、まるで自分の死も訪れたのかと錯覚するほどに、心臓が冷たくなった。
見える景色も色が無くなったように見えて……。
「はぁ……、はぁ……、はぁ……」
運動してないのに汗が出てくる。嫌な汗だ。
「こ、これって……」
白が……、し
「死んでない」
ノアちゃんが言う。
「え?」
「死んだら私はわかる。誰より早く」
あ、そうか……。
「未だに繋がりは白との感じてる。生きてる証拠。何かあって、上手く逃げだしたはず」
「そっかならよかった」
急にどっと疲れが来てその場に座り込んでしまった。
しかしその次の瞬間。
パリン、と音がして、窓から何かを放り投げられる。
「手榴弾!」
「?!」
急いでそれから飛び退く。
次の瞬間、鼓膜が破れるかと思うほどの大きな音と爆風が私たちを襲った。




