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リラル族の集会

 少し入ると、行き止まりでフェイサートが止まった。

 遠くから見ていると壁の一部を軽くたたくとパネルが現われた。

 何か操作をすると、近くにあった岩がすり抜けられるようになり、その下に階段が現れた。

 気づかないように息をひそめ待っていたら、階段に着く前に岩は元に戻ってしまった。


「えーっと、こんなんだったっけ」


 何度かパネルを出して操作してみるのだが、上手くいかない。

 

「あーもう! こんなセキュリティ必要かな!?」


 独りで頭を掻く。


「仕方ない強行突破で!」


 とはいっても岩を破壊したら流石にバレちゃうだろうし、他の方法を探さないとね。

 岩に手を当て気力と魔力を流し込む。土属性を付与しその形状を記憶させた。

 そして気力で静かにバラバラにする。

 破片を1つも落とさないように生術で浮かせた。気力を流し込んでいたので少しの間ならそれを継続させることもできた。

 そして私が完全に通り抜けた後に、岩を元に戻した。


「ふう、やってみれば何とかなるものだね」


 音一つなく通り抜けられた。自分の魔法技術も上がってきている証拠だろう。

 ……結構疲れたけど。

 音を出さないよう気を付けながら、階段を降りていく。

 階段はそこまで深くなく、すぐに灯りのあるとこに着いた。

 まだ下がろうと思えば下に行けるのだが、ロフト的な感じで、足もとから下の階を覗き見ることができたので、そこでとどまることにした。

 覗いてみるとそこには、20名ほどのリラル族の人たちがいた。

 リラル族はここの自治区にいる青肌の人たちだ。

 それはもう長い歴史の中、クレルラルを治めるクレイ族からずっと迫害を受け続けており、ここも自治区とは銘打っているが、押し込められているというのが実態。クレイ族の生活域には申請しないと行くことすらできないらしい。

 逆にこの町では私たちがあまりいい目では見られない。フードを被っているのはそういう理由もあったんだ。

 可哀想、とは思うものの、私たちではどうしようもない。私たちの仕事はこの世界の崩壊を止める事だし、異世界の人間に上から目線で同情されたって、彼らもいい迷惑だろうしね。


「よく来てくれた、フェイサート」

「そういうのはいい。話を早く進めてくれるか、族長殿」


 フェイサートは面倒くさそうに答えた。

 どうやらフェイサートは依頼されて仕方なく来たようだ。

 うーん、じゃあ、わざわざ忍び込んでくることもなかったかな。てっきり賞金稼ぎ通しの怪しい集会でもしてるのかと思ったんだけど。

 いやでも、リラル族の人の集まりにわざわざ賞金稼ぎを呼ぶってやっぱちょっときな臭いな……。


「ああ。そうだな」


 族長と言われた初老の男性が咳払いをする。


「ついに計画を動かす時が来た。20日後、我々は革命を起こす」


 ……………………ッ?!

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