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逆戻り

 タンッ! タンッ!


 離れた位置から引き金を引き魔術を撃ちだす。

 煙幕で視界を一瞬奪った。その隙に剣を3本投げる。

 そうして牽制しつつ近づいて剣を振る。

 その一瞬で風を起こされ、煙幕を吹き飛ばされる。

 簡単に剣を受け止められてしまった。

 すぐに守りの構え……、凪の構えに戻し、防御態勢をとる。

 突風の様な猛攻をギリギリで受けていく。

 ステップして、後ろに下がった。


(キリがねぇなこりゃ)


 助かるのはこいつが、魔術や霊術を使ってこないこと。

 だから対応可能だ。

 しかしそれなしで戦闘を成立させられてしまうほど、槍の練度が高い。

 気を抜けば心臓を貫かれているだろう。


『戻ったわよ』


 少しの間偵察に出していた愛歌が戻ってきた。


『どうだった?』


 水闘気力で走って逃げきれる先がないか愛歌に調べてもらっていたのだ。


『今ある水闘気でギリギリ足りる先に出口がある。ただ、崩れた古い橋の残骸があるだけで、いっても川に落ちるだけってとこね』

『ちょうどいいじゃんか。逃げるにはさ。そこまでのルートを見せてくれ』


 少し間合いをとったところで、水闘気を足に流し込み急いでその場を離れた。


 数秒後、外に通じるその崖の所に出ることができた。

 

「くっそ気力を使い果たした……」


 疲れ切り重くなった体を引きずりながら、その川に飛び込もうと歩いて征く。


「ふっ!」


 嫌な予感がして振り返るとさっきの奴がもう追いついてきていた。

 寸前のところで槍を受け止める。

 すぐに後ろに飛び上がって、川に落ちようとした。


「これで、ここから離れられるな」


 と喜んだのもつかの間。


『白!!』


 フードのやつが投げたものが胸に当たる。

 するとそれが展開され、俺の腕を拘束した。


「死神の枷……!?」


 まずい。

 愛歌が中にいる状態だったせいで、愛歌はシャットダウンしてしまっただろう。

 それに水闘気も使えず、このままだと溺れ死ぬ……!

 そこまで考えた時俺は、川面に体が叩きつけられた。


 *


 白が落ちていくのを見ていたその人物はその後一言呟いた。


「ブルー」

「は」


 そういうと、すぐ傍らにエレメンタルバレッドの一人、エレメントブルーが現れた。


「奴を探してもう一度牢にぶち込みなさい」

「承知いたしました。マーズ様」


 こうして白は監獄に逆戻りすることになってしまったのだった。


―――世利長愛歌(せりながあいか)記憶領域(ストレージ)【白の剣術】―――

 白の戦闘スタイルは基本的に型の存在しない我流だけど、でも自分で到達した戦闘スタイルは在しているの。そのうちの剣術が「時化の構え」と「凪の構え」。それぞれ攻撃と防御に特化しているわ。

 荒れ狂う嵐のように敵を飲み込むように攻撃する時化の構え。

 静かな水面のように攻撃全てを受け流し隙をつく凪の構え。

 剣術を使わなくてはいけない時はそれらを臨機応変に使い分けているの。

 

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