エレメンタルバレッドとクレルラル王国
「ねえ、リーダー。やっぱ寒いんじゃない、このノリ」
緑色の服を着た女が、赤い服を着た男に行った。
服、と優しくいったが、どちらかといえば全身タイツだ。
「黙れ! 戦闘前にこうして気合を入れておくのは重要なのだ!」
「でもアタシは恥ずかしいし……」
「なんでもいいけどさ。秘密部隊なら、表に出てこないほうがいいんじゃ……?」
白が言った。
「ふっふっふっふ。問題ない。今から貴様らをとらえればいいのだからな!」
「随分と自信があるんだな」
「ああ、あるとも。何せ殺すなとは言われてはいない」
そう言いながら敵は武器を構えた
はぁ……、結局こうなっちゃうの……?
「お待ちなさい。この国の王子は殺されてしまったら困る」
その五人をかき分け、フードを被った人が歩いてくる。
「なんだあいつ……」
その男の声を上手く認識できない。
言った言葉の意味は分かる。しかし、声が男のものなのか女のものなのか、上手く認識できないんだ。
「アルノ。言っただろう。こやつらはこの国を壊す。そういう運命の元にあるのだ。クレルラルのためを思うなら、この者たちに引き渡すより他ない」
また別の人間が歩いてくる。
口ぶり的に多分……。
「お父様……」
やっぱそうなんだ。あれがこの国の……。
「まだ、そんな妄言を言ってるの? ボクは皆を信じてる。そんなフラエル皇国を混沌に陥れた者たちとなんて組まない」
「残念だ……」
やっぱ、王様だったらしい。
なるほど、頑固そう。
「白、あいつら半分以上が魔界の者。私の戦力は当てにしないでほしい」
ノアちゃんが白にそう言った。
「ああ、そりゃ、やっかいだな……」
白が銃を抜き敵の足元に3発発砲した。
どうやら土属性魔術と闇属性魔術を使って、煙幕を作り出したようだ。
そして最後の一発で、大きな音を出した。
「さてとノア、水闘気は使えそうか?」
「少しなら問題ない」
「大陸をまたいで遠くまでいくとしたら、何人を運べる?」
「私を含め二人」
「あらかじめ上空に上がっていた場合は?」
「それなら三人」
「よし、行けるな」
え? いや、人数足りませんけど。
「今からお前ら三人を俺の闘気で打ち上げる。そしたら、出来るだけ遠くに逃げてくれ。その後、契約の石を探すんだ」
「ん」
「ちょっとまってそれって?!」
私はそれを止めようとした。が。
「後は頼んだぞ」
間に合わず白はありったけの水闘気を使って私たち三人を打ち上げた。
*
空を見上げると、北東の方角に稲妻のような青い筋が飛んでいくのが見えた。
「き、貴様?!」
煙の中からやっと王様が出てきた。
「あーわりぃわりぃ。お詫びといっちゃなんだが、俺は投降してやるよ」
はあ、せっかく牢屋から出れたのに……、拷問とか受けんのかな、俺。
ある程度までは耐えられると思うけど、鉄の処女とかは止めてほしいもんだなぁ。




