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クラウノ観光

 エルリフィからの書状を提出し、空いた時間で町を観光していた。


「うーん。これとかどう?」


 私たちはアパレルショップに来ていた。

 クレルラルの服の感じは元の世界の感性と結構近い感じだったから、せっかくなら見ておこっかなって。


「かわいー!」

「よね」

「こっちも似合うんじゃないかな」

「え、ちょっと派手過ぎない?」

「そんなことないよ、ほら」


 アルノはそうやって付き合ってくれるんだけど、白とノアは端のソファから退屈そうにこちらを眺めている。

 まあ、あの二人はそういうタイプだよね。

 愛歌がいたらどうかな……。

 どちらかといえばこっち側だろうけど、お嬢様だからちょっとでも気に入った奴全部カートに突っ込んでいきそうだな……。

 それはなんか楽しんでいる部分の種類が違う気がするし……。

 結局わたしたちは見るだけで買えないからね。

 冒険者はこんなに可愛い服を買ったところで、着る機会がないんだ。戦闘で着たら汚れるし……。

 だから見て回って楽しむだけ。

 幸いこの世界のお店はほとんどが無人だから、何も買わなくても気まずくないしね。



 数時間ほどそんな風に街中をぶらぶらとして、売店で軽食を買い公園でのんびり食べていた。


「あ、そうだ。天帝様にはじめて会いに行った時みたいにさ、フォーマルな恰好とかしていった方がいいんじゃない?」

「それはそうだな。なあアルノ、手続きってどれくらいで終わると思う?」


 白がアルノに訊いた。


「うーん。少なくとも明日の朝には終わってるんじゃないかな?」

「結構かかるな」

「王の予定調整とかもやってくれるだろうからね。会えるのはずっと後になっちゃうかも」

「えぇ、それまで暇なままかぁ」

「国家元首に謁見するんだ。時間もかかるだろうよ」


 まあ、仕方ないね。

 この国だと冒険者の制度ってあまり一般的じゃないみたいだけど、逆に言えば仕事がもらえる可能性も高いだろう。

 それで暇でも潰しておけばいいかな。


「そうだこの国の貴族連中は作法にうるさいからね。それも教えておいてあげないと。ボクはついていけないし……」


 アルノが苦虫を嚙み潰したような顔をしながら言った。


「え、アルノは来てくれないの?!」

「書状を受け取ったのは夜空たちだったからね。私は入れないよ」


 そういう物なのか……、ちょっと不安だなぁ。


 そんな話をしていた時、私たちの目の前に他の者とは少し毛色の違う移動車が降りてきた。


「……え? あの車は……」


 アルノが呟く。

 その車から軍服の様なものを来た人たちが数人降りてきた。


「貴様らが青水白とその仲間たちだな」


 なんか横柄な態度だな。


「そうだが……、なんだよ。随分と乱暴な物言いじゃあないか?」

「黙れ、貴様らを国家転覆を図った容疑で逮捕する」

「…………………………は?」

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