この世界の鉄道
大陸間海洋鉄道。
世界三大国が存在するそれぞれの大国を結ぶ交通網で、この世界の人類の英知の結晶だ。
天帝エルリフィことミファの提案によって、50年前に開通したもの。
まずはその原型となる列車の技術をクレルラル王国が、海の上に魔法のレールを編む技術をフラエル皇国が、長距離走行にも耐えうる魔法燃料と特殊な素材とパーツの製造技術をシンノミヤが提供し実現した。
路線は環状になっている。
まず私たちが列車に乗った、フラウロウの北東に位置するアルフ港。
そこからクレルラル王国の首都クラウノから南にあるシルドア駅街、クラウノから北西にあるカーゲン港を通る。
そしてシンノミヤの首都、デモル京から東にあるデシマ駅港、デモル京から南にあるシュシ港をとおり、フラウロウからみて北西にあるカイサ港をとおり、またアルフ港に帰ってくる。
シルドア駅街まではだいたい15000㎞。全ての駅間で最長となっている。
鉄道の速度はだいたい平均時速200km程度で、一日合計19時間走行する。かかる時間は4日くらいかな。その間ずっとこの箱の中に閉じ込められたままだ。
一応、ジムの様な中身になっているトレーニング車、時間制で使える食堂車、子供も大人も遊べるレクリエーション車なんてのも存在はしてるんだけど、流石に暇だし疲れてくるよね。
数時間おきに休憩島っていう人口の島では外の空気を吸えるし思いっきり運動もできるから、それを楽しみに頑張って座ってるって感じだね。
私たちは個室を2個取って必要な時以外は、白とアルノ、私とノアちゃんと愛歌って感じで部屋を分けてる。
新幹線や飛行機みたいに見ず知らずの人を感じずに済んでるのは結構楽だね。
「はぁあああ! 疲れたぁ……」
そんなこんなでシルドア駅街に到着し、体を伸ばした。
あと一日乗ってたら腰がおかしくなってたね。
「噂には聞いてたけど……、すごい」
その街並みは近未来的で、建物の様式は違うものの東京を思い出した。
クレルラル王国は魔法ではなく科学を国力としてきた国だ。
クラウノ行きの高速鉄道への乗り換えの渡り廊下から見える街並みだけでもとても発展しているのが見て取れた。
隣駅に切符を買って地階に下がり、大きな構内からそのこの鉄道の中に入った。
一瞬フワッとした感覚を感じた。
「あら?」
愛歌も何かを感じたらしい。
「ねえアルノ?」
「ん?」
「この鉄道は磁器を使ってるの」
「え? 反重力だよ」
何を当たり前なことを、というような顔でアルノが答えた。
「……そう、そこまで進んでいるとは知らなかったわ……」
愛歌も驚きのテクノロジーみたいだ。
実際この鉄道も信じられないくらい速かった。
鉄道に関してはあまり詳しくないので、ちょっと心配です。
次回以降もよろしくお願いします。




