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青水白 vs ライグ (後)

 その後数分、隙を見ては白が接近戦を持ち掛け、逆にその隙を見てはライグが白を引き離し遠距離戦をする。

 そんな事を繰り返していた。

 互角だ……。

 白がどれほど本気なのかわからないけど、それでも私では足下に及ばないほどの力を使っている。


「やっぱりな。お前の時間停止ってそこまで万能じゃないんだろ? だから接近戦を避ける」


 睨み合いになったときに白が問いかける。

 いや、時間操作系能力持ちキャラって強いよ……? D○Oとか……。まあグ○ドみたいな例もあるけど……。


「そりゃ、そうだよな。自分以外の時間を止める。それだけなら強く聞こえるが、止まるのは生物だけじゃあない。空気中の分子や霊力、音波や光子すらもとまる。つまり、何も見えないし何も聞こえない、それどころか息もできない。常人が使えばパニックだな」


 あー。盲点だった。

 リアルに考えればそりゃそうだって話。なんか急に時間停止に対するロマンが消え失せちゃったな。


「お前がやっているのは、時間を止めた瞬間の状態を記憶し、時間を止めている数秒の間で魔力と気力を最大限に運用し、瞬間的に加速して動く。お世辞にも強いとは言えない能力をそれができるまでに極めたとこは賞賛に値するが、正直、並列とかって能力の方が強いんだろ」

「……気づきましたか。私の事を知らないとはいえ、流石白殿だ」

「いや、当初予想してた能力持ってたら俺なら、近接戦闘をメインにしたくなるな、って思っただけだ」


 いや魔術戦でも時間止めて動けたら強そうだけども。


「なるほど。だとしても流石だ」

「白っ!」


 び、っくりした。

 急に後ろに現れていた愛歌が大きい声で叫んでいた。

 ノアちゃんも後ろからついてきている。


「なんだ急に……」


 白も同じように驚いたらしい。


「そんなのと戦ってる場合じゃないの! 早く、フラウロウに帰らないと!」

「ああ? 何言って」

「そいつの部屋にあった書類によると、フラウロウに魔獣の大軍が向かっているらしいの! およそ5万! つい昨日、軍の転送が完了したとかで……」

「?!」

「え」


 5万って、何そのバカみたいな数?!


「ふふ、もう少し時間を稼ぎたかったが、まさか反対側の扉を開錠して入ってくるとは思わなんだ」

「!?」


 じゃあ本当のことってこと?


「でもフラウロウには結界があるんだ。多少は持ちこたえるんじゃないか?」


 あ、そうだ。あれなら魔獣は入れな……。


「ふふふ。あなたがたが塔に入ってきてからすぐ、私は災霜のトリガーとしての役割を放棄しました。つまり、この大陸から災霜は消えた。塔には未だに充満しているから気づかなかったようであるが」

「は……?」


 あの結界は魔霧……、災霜を取り込んで構築している。

 それが消えたってことは結界もなくなって……。


「どうしますかな。ここからフラウロウまで、急いでも一日はかかる」

「そうか。セミを操って俺たちをリフィアに行かせたこと、殺人事件を起こして少しの間フラウロウに足止めしたこと……、もしやフラウロウの結界に綻びを生んで鉱山に行かせたのも、全部時間稼ぎだな?!」

「?!」


 そ、そんな……。


「さあ、どうでしょう。とにかく私のこの地での仕事はこれで終わりだ。失礼させていただく」


 そう言って、死神と同じように消えてしまった。

 すぐに赤い線も消えた。


「ち!」

「どうする白?! 今フラウロウには半分の戦力しか残ってないよ?!」


 結界があるからと、黄金鉱を送り届けてたり、各地の応援に行ってしまっているのだ。


「水闘気で一気に駆け抜ける!」

「え、戦い前にかなり消費しちゃうんじゃ……?」

「言ってる場合か?! 早くいくぞ!」

「う、うん!」


 私たちは急いでフラウロウに引き返した。

なんかほぼタイトル詐欺になってしまっているかも……。

次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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