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青水白 vs ライグ (前)

「さーて、いくぞ!」


 赤い線を踏み越えた、と同時に白はライグに向かって駆けだす。

 それに反応したライグがすぐに魔術の掃射を開始するが、突き出した白の左手によって防がれている。

 左手からは水闘気力を流しているようでその魂源の1つ、消滅の力で掃射の魔術を撃ち消しているようだ。

 そのままライグに近づいた白は、心臓部をめがけて拳を真っすぐ突き出した。


(まただ)


 攻撃が飛んでくるその瞬間、またライグの動きが加速する。

 しかし。


「っ?!」


 拳は外したものの、白もまたそれを認識してすぐに水闘気力の魂源、流動の力で超スピードを一瞬使ってライグに体当たりをした。


「ぐッ」


 そのタックルをもろに喰らったライグは私がいるところとは反対の壁に、体を強く叩きつけられた。

 すぐさま白は剣を2本取り出し、霊術で操ってライグの体を串刺しにしようとする。

 しかし、ライグはアクロバティックな動きでその場から脱出する。

 白とは距離を取り、先ほどまで掃射魔術の元となっていたミニ太陽の様な火の玉を白にぶつけた。


「ちっ」


 白は嫌そうな顔をしながらそれを水闘気力でかき消した。

 水闘気力はそもそも燃費が悪い力だといっていたし、あれほど巨大なエネルギーをかき消すとなるとかなり消費してしまうのだろう。

 ライグは追い打ちとばかりに魔力で剣を生み出しそれを投げつけたり、床を凍らせ滑りやすくしたり、光線を放ったりと、私の時とは違い全力の力で白が接近してくるのを拒んだ。

 対する白は、近接戦ができなければ水闘気力を消費し続けるだけだし不利……、かと思ったのだが、 空中に浮かばせた4本の剣や、ライグが魔術で生み出した岩の塊などのオブジェクトで魔術のほぼすべてを防ぎつつ……。


銃爪(フィンガン)!」


 という謎の技で攻撃している。

 最初の1回はそれが当たったらしく、まるで銃弾でも撃ち込まれたかのように肩から血をどくどくと流している。

 見たところによると、指の前の空気を強く素早く弾くことで銃弾のようにする技、のようだ。

 いやいや、そんなことできる? ヤバすぎない? しかも空気だから見えない弾なのえぐいよ。

 ライグもライグでその見えない弾を魔術で正確に防ぎながら、白に対し攻撃魔術を放ち、更には受けた傷を魔法で回復している。

 通常、魔術や魔法は2つ以上同時には起動できない。素早く連続で魔術を起動したり、白の女神の栄光(ヘラクレス・カース)のように身体能力のどこかを強化するという効果の魔術を1つに織り交ぜて同時に効果を得たり、と言ったことはできなくはない。

 しかし攻撃、防御、果ては回復といった、対象も効果も全く別の効果の魔術魔法を同時にこなすのは、理論上は不可能のはずだ。

 だが魔法の世界では理論上不可能を可能にされてしまう場合があるから恐ろしい。

 今回の場合は、さっき自分で漏らしていたライグの魂源、並列によるものなのだろう。

次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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