紅花夜空 VS ライグ (2)
ああ、もう! どんだけ強いのこのジジイ!
体感だけど、あの死神くらいは強いぞ。
魔術強くて近接も強いとか反則じゃん!
だけど。
カキィン!
魔術ではどうあっても勝てない。
自分が魔術が得意だからそれがよくわかる。
近接戦ならまだ勝機がある。そう思いできるだけ離れないように刀を振るい続けているのだが、その実力もわずかに相手が上だ。
「?!」
まただ。
首を取った、そう思った瞬間急に魔力の流れがトんだ。と思ったら、急激に速度が変わり、紙一重のとこで避けられる。
なんかこう、もどかしい。
「あんた時間止められるの?」
「ほう? 思い出したか」
「気が付いただけ!」
鍔迫り合い状態から力技で押し崩す。
その後、追撃するがまた避けられる。
ったくもう。
魂源が時間ってのからなんとなくそうなんじゃないか、って思ったけどまさか本当に当たるなんて。
「そんなん勝ち目ないじゃん!」
時間操作系の能力者って大抵、強キャラしかいないんだよ?!
どうすりゃいいっての!
そうして悩んでしまうと、隙が生じてしまったらしい。
急な魔術の突風が私を襲い、少し後ずさりしてしまう。
「あ、やば」
すかさず、火属性魔術による掃射が飛んでくる。
避ける間もなく着弾してしまったため、私はできる限りダメージを減らせるように魔力で体をガードした。
「あっつ。いった……」
威力が強すぎる。抜け出せない。
そのまま押され続け、壁に入ってしまった。
どうする? どうすれば、反撃に……。
「夜空! 交代だ!」
轟音が鳴り響く中、白の声がかすかに聞こえた。
ああ、そうだね。
私の実力はまだ、こんなものか。
一瞬土属性魔術で壁を作って攻撃を防ぎ、急いで赤い線を踏み越えた。
「よくやった。あとは任せろ」
白が私に回復魔法をかけてくれる。
「あいつに勝てる?」
「どうかな。ただ、どう戦えばいいかの見当はついた」
あはは。それなら私がここまでボロボロになった意味もあった、ってとこかな。
「さてと、んじゃまぁやってみるか」
白が赤い線を越え、ライグと対峙した。
今日は少し短くなってしまいました。
次回も読んでいただけたら嬉しいです。