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同人誌じゃないんだから、こんな罠やめてよね……。

 水の中を魔術の光源を頼りに泳いでいく。

 着衣しながらの泳ぎであるのにもかかわらず楽に泳げているのも魔術の恩恵だ。

 息ができるのはそれではなく水中に満ちている魔力のおかげ。

 一定以上魔力の操作に長けている者であれば、魔力を疑似的な酸素として運用することができる。

 魔力のある場所であればある程度の環境なら、例え宇宙空間で合ってさえも、適応し生存できるんだ。

 とは言っても限界はあるから長くて2日程度だけどね。

 この程度の時間の潜水ならまあ問題はないと思う。


 また問題があるとすれば。


「……」


 水を空気として扱えるわけじゃあないから会話ができない。

 そこはある程度のジェスチャーでカバーするしかないね。

 今は分かれ道の前で白が片方を指さしている。

 そっちに進んでいく。

 そしてその穴をゆっくりと進んでいる時の事だった。


「?!」


 突如足に違和感を覚えた。なんていうか、急にうまく泳げなくなった感じだ。

 足を見ると……。


(……。あれ、なに? 水草、じゃないな。じゃあ紐? ……あ、ちがう、ヤバい!)


 それはタコの足みたいな何かだった。

 一本、また一本と私を引っ張る力が強くなり、どこかへ引きずりこもうとしてくる。

 刀を取り出し斬り落とそうとするのだが、ぶにぶにしてるし水中だしうまくいかない。

 やっとのことで一本斬ってもまた新しいのが生えてくる。


(あ、これマズイ……)


 そう思った時、急に足が軽くなった。


(ノアちゃん……!)


 ノアちゃんが全てのタコ足を一息に斬り落としてくれた。

 すぐに体を抱えられ、物凄いスピードで空気のある場所まで脱出した。


「ぷはぁ……。ありがとうノアちゃん。もうだめかと思った。同人誌みたいなことされちゃうかと」

「いや、多分、鳥の軟骨みたいにバリボリ食われて終わりだろ」

「やめてよね。人が冗談言ってる時に、怖い想像させないでよ」


 いつか夢に見そう。


「ドウジンシってなに?」

「あー、ノアちゃんは知らなくていいよ」


 暗殺法か何かと勘違いしてるんだろうか。

 一応ノアちゃんは物語を読むのが好きらしく、元の世界にいたとき愛歌から漫画やらラノベやらを借りて読んでいたらしいけど。まあ知らないなら知らないでいいか。


「で? ここは?」

「湖の底の空洞ってとこかな」

「そうね。方角的にも塔の方に伸びてる」


 ちゃんと正解だったってとこかな。

 よかったよかったと思いながら、自身の体を魔術で乾燥させていく。


「とりあえず、歩いていくか。もう罠が無いといいんだけど」

「え? まだなんかあるの?」

「わかんないけど、こんなながい道、いくらでも仕掛けられるよな」


 はあ、もう面倒……。

次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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