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森の中での出逢い

設定をミスって昨晩に投稿してしまっていたので投稿しなおしました。

「なんていうか、まあ、悪かったな」


 森の里に向かうまでの間、白がそう口を開いた。


「え?」

「いや、まあ、はあ……」

「本当になに……」


 そこため息つくとこ?


「気持ちわからなくはなかったんだ。俺も俺の世界でだったら似た判断をしてたと思う」

「わかってるよ。じゃなかったらヒーローなんかやってないでしょ」

「……まあそうだな」


 そう。

 わかりにくいだけで優しい奴ではあるのだ。


「はあ、ただ。……こうして超人っての仕事というか、そういうのでやってると、なんというか。焦っちまうとこもあるんだよな」

「白も焦ることとかあるんだ」

「そりゃあな」

「……」


 森の中を歩き続ける。


「白は今も、ルトナ湖に行った方が正しかったって思ってる?」

「……さあ」

「さあ?」


 なんでそこ濁すの?


「何が正解かは俺もわからん。いつもそうだ。考えて考えて行動してもそれが悪い方に行くこともある。逆に特に意味もなくやっていたことがいい結果に結びつくこともある。どっちが正しいか、なんて終わってみなけりゃわからん」

「……」


 なんていうか。

 時々こういう大人っぽいこと言い始めるんだよなこいつ。ちゃんと超人してるというか。


「そもそも、その"終わり"をいつにすればいいかもわからん。前の世界でのことですら判断を誤ったと思ってることがいくつかあるが、もう少し時を重ねれば逆に正解だった、なんて思う事もあるだろ」

「……なんていうか、達観してうるね」

「そうであったならいいんだけどな。自分の事となると急に先も周りも見えなくなったりするから難しいんだこれが」

「そっか」


 なんだ。ちゃんと人間っぽいとこも残ってんじゃん。

 ちょっと安心したかな。


 一日も森の中を歩いた頃の事だった。


「なんか、違和感……」

「多分、魔霧の影響が消えたからだろう」

「あ」


 気力で体を護っていても尚残る、あの気分の悪さが無くなっていたのだ。


「なんでだろう?」

「さあな? 霊力も穏やかだから、なんかあるかもな。例えば、天帝とか」

「天帝?」

「ああ、初代のな。この森出身らしいから」


 そうなんだ。

 何か魔法でもかけたのかな。

 そんな会話をしながら歩いていたその時だった。


「人だ」

「え?」


 白が止まる。

 少しすると、ザッザッ、という葉を踏む足音が近づいてきた。


「誰だ?」


 会話可能な距離まで来た時に白が訊いた。

 殺気は感じないけど……。


「あなた方ですね。娘たちの友達というのは」


 男性だった。

 結構歳いっているように見えるんだけど、姿勢や歩き方から若々しい印象を受ける。


「あ! もしかして、リーフさんたちのお父様ですか?」

「はい。ステムと申します。森の隠れ里へ案内しましょう」

「よろしくお願いします」


 私たちはステムさんについていくことになった。

次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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