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第2話:砂漠に咲く薔薇が見たくて(2)

―――砂漠の村・夜空


「うわグッロぉ……」


 村の外れにあるオアシスの湖が真っ黒に染まっていた。

 とてもじゃないが生活用水として使えるように思えない。

 白が指を浸ける。


「ぅっ、くっ……」


 白が顔を歪ませる。


「大丈夫?」

「ああ。長時間入れてたら指が溶かされる。魔法の類だな。しかも強力」


 白は目を瞑り、水闘気力を流し込んでいった。

 すると、湖全体が少しづつ光を帯び始め、やがて目も眩むほど強くなる。

 それがおさまると、目の前には美しい湖があった。


「凄い。まるで天帝様の伝説のようです!」


 村長のおじいさんがそんな事を口にしていた。


「とまぁ、俺の"水の力"で浄化してみたわけだが……、そううまくはいかないか……」


 しばらくすると、湖のそこの方からもやもやと黒い何かが登ってきて、また湖を染めていった。

 その前に嫌そうに白が手をひっこめた。


「今簡単に、湖内の構造も調べてみたのですが、この下に洞窟がありますね……。近くのオアシスも同じ状況に?」


 白が村長に訊いた。


「はい……」

「それらとここは繋がっている。多分洞窟の底に水をこの黒い靄に変化させる魔法具か何かを設置してるんだろうな」

「え、目的は何?」


 犯人は何がしたいいんだろ。


「わからない。だけど、単独犯にしてはやることが大きすぎるな」

「組織的犯行ってこと?」

「何もわからないよ。当たり前だろ。ただ、前の二人組みたいな例もあるから、勘ぐっちゃうよな」


 なるほどね。

 それにしても、浄化させてもまたすぐ汚れちゃうならどうすれば……。


「さてと、潜って調査してみるか」


 そういって白が私の顔に何かの魔術をかけた。


「はい?」


 潜る? この湖に?

 指淹れただけで辛そうだった水の中に?


「えっと、その……、そう! 水着持ってきてないから……」


 言ってからそこじゃないでしょ、と心の中で自分に突っ込む。

 動揺すると何を口走るかわかったもんじゃない。


「そのために今、水中移動用の魔術かけただろ?」

「えっと、そうじゃなくて、そう、この黒いの! これどうするの?!」

「水闘気で防護するよ。ほら行くぞ」

「ちょま、それって?! きゃっ?!」


 白に抱えられて、水の中に引きずり込まれた。



―――世利長愛歌の記憶領域:file.14【白の魂源】―――

 白の魂源は"流動"と"消滅"。

 流動を使うと最高速度マッハ3に近い速度で移動可能。ただし速度が速すぎて白自身は制御がうまくいかなかった。最近は断続的に使用することで、ギリギリ制御を可能にしている。

 消滅は、エネルギーを消滅させられる。敵に当てれば体力や魔力を消滅させることができる。

 この二つは闘気力として使うとあまりにも燃費が悪すぎることが弱点ね。

 その癖ポンポン使うんだから……、まったく……。

また明日もよろしくお願いします。

そういえばここまで連続して「世利長愛歌の記憶領域」を愛歌さんが書いてくれていましたが、

補足することが無い回は書かないそうです。

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