勇者のパーティ
「最近忙しかったから、少し休憩しよう」
フラウロウに帰ってきた翌日、白の提案で一日休日とすることにした。
私はとあるところに向かって街中を歩いていた。
そんな中、とある人物たちと出会う。
「あ、シンビィ」
「お、夜空じゃん。やっほ。そっちの仕事の調子は?」
「黄金鉱を持ち帰ってきたとこ」
「順調そうでよかった。こっちもある程度まで終わったから一度帰ってきたんだ。報告もしなきゃ出しね」
ってことは、結構な人の避難が完了したってことか。
「で、今日は何を?」
「ちょっと図書館に」
「図書館?」
「勇者について調べようと思って」
「暗黒期の? なんでまた?」
「今の状況って暗黒期と似てるって言ってたでしょ? 少し調べておこうかと思って」
「なるほどね」
とそこまで話したとき思い出して、天帝が書いてくれた名前を写したメモ帳を見せた。
「この中で名前知ってる人いる?」
「え、うーん?」
それを少し見た後シンビィは口を開いた。
「有名人な人もいくらかいるけど、どうかしたの?」
「勇者のパーティメンバーだったり、親交があった人たちだってさ」
「あ、へぇ……」
妙に納得したような顔をしている。
「ロン・サヌラカ、なんて超有名な偉人だよ。歴史上の代表的な冒険者って言われたらまず名前が挙がるね。冒険者兼作家をやってたはず。そっか、勇者様のパーティにいたんだね。納得」
「勇者のパーティだったってことは知られてないの?」
「うーん、歴史とか詳しい人は知ってるのかもね。でもそうでなくても有名人だってのもあるし、暗黒期の話は勇者様の話が主に成っててあまりその仲間の事については語られていなくてさ」
なるほど?
まあ私たちの歴史にもそういうのよくあるか。
「ネノ・クルトも、魔法研究の分野で有名なエルフじゃなかったかな。冒険者の中で使われるいくつか汎用魔術のいくつかはこの人が作っていたはずだよ」
「エルフなんだじゃあ、まだ生きている可能性もあるかな……。どこら辺に住んでるかとかわかる?」
「いやあ、私たちダークエルフはエルフの中でも少し独特な文化を持ってる種族でね。歴史的にちょっと別の暮らし方をしてるんだ。だからあんまり詳しくなくて。ごめんね」
そっか。
よく考えたら天帝も知らないことを知ってるわけないか……。
「ううん大丈夫。じゃあお互い頑張ろうね」
「うん、じゃあまた」
そういってその場を後にした。
次回以降も読んでいただけたら嬉しいです。