訓練開始
長文が書かれますが飛ばしていただいてもOKです。
物好きな方だけお読みください。
「戦闘技術において、教えたいことは色々とあるけど、いきなり理論だのなんだの教えたとこで飽きちゃうだろ?」
ご飯の後、一時間ほど体力作りのための基礎訓練をしたあと話始めた。
「ちょっと、馬鹿にしないでよ。確かに私は勉強はでき……、得意とは言い難いけどさ。覚えなきゃまずいものぐらい頑張って覚えるよ?」
まあ、座学より体育の方が嫌いなだけなんだけど。
「…………。理論として覚えておいてほしいのは魔法、魔術、霊術、闘気術なんかだな」
白は少し考え込む仕草を見せたうえで、人差し指を立てる。その先が青く光り始めた。
そして空中を黒板に文字を書き始める。
「魔法ってのは魔術と霊術の総称、またはその2つの性質を組み合わせた術の事だ。それぞれ魔術は魔力を、霊術は霊力を使用する。魔力は物体に宿るが、霊気は空気中にのみにしか存在できない。魔術は、魔力の操作、魔術の造形、属性の付与、そして放出、この4段階を通して構築する。粘土を必要な分だけ取ってきて、形を作って、固める、イメージはそんな感じだな。属性ってのは火氷風土光闇の6つが基本。これら6つの属性はそれぞれの精霊に語りかけることで属性を付与してもらえることから、"精霊六属性"と呼ばれる。霊術は元の世界で言う超能力や霊能力等に近いな。ただ魔力と違ってできることが多すぎるから使い方次第。例えば呪術、念動力、洗脳、他霊気との共感力を高めることによる感覚や空間認識能力の強化、他にもあるかもしれないが、魔力よりも不規則なものであるがゆえに、俺も知らない使い方が存在しているかもしれない。続いて闘気術だけど」
「ストップ!」
頭がパンパンだ。正直6割も頭に入ってきていない。
別に白が早口だったとかて訳でもない。むしろゆっくり、文字や図を使いながら話してくれた。私もメモ帳は持っている。
前半はなんとか理解できた、と思う。が、流石にややこしすぎる。
「? まだ表面も話し終えていないけど……」
「私が悪かったから、白の当初の予定通りにお願い」
白も計画を立ててくれていたのだろう。それに任せよう。
「とまぁこんな感じで、覚えてほしいことは多すぎるから、これから実践の中で覚えてくれればいい。今から数日は準備時間だな」
「準備?」
「そ、夜空は俺と同じ超人になったって話はしたと思うけど、まだ卵の状態だ。そこから孵して成長できるようにしないとな」
なるほど……。
「この十日のうちにやりたいことは、魔力、霊力、気力を自在に操るトレーニングと戦闘訓練」
「……、人の名前?」
「えーっとそうだな……」
白がまた少し考えて口を開く。
「んじゃ、まずは魔術から行くか。ここを離れる頃には、昨日の獣くらいなら軽くひねれるようになってもらわないと」
それから厳しい訓練の日々が始まった。
しかしそれは、後の私からしてみればある意味、天国とも言える時間だったかもしれない。
次回も読んでいただけたら嬉しいです。