これってラッキースケベってやつ?
浴室の扉を開けた。
「え?」
中には全裸の女の子がいた。
私が男だったらいわゆるラッキースケベのテンプレみたいな状態になってしまったのだが、女同士の場合もそういうのだろうか?
「?」
太ももにまで伸びる長く美しい銀髪。左目の深紅の妖艶な瞳と右目の宝石のように青色の煌びやかな瞳。
気持ち悪いと思われるかもしれないが正直なところ、女の私ですら10は恋に落ちてしまいそうな程の美少女だった。
身長は目測だけど140cmにも満たないと思う。幼年に見える身長なのにも関わらず、女性らしいふくよかさをもった体。しっかりと引き締まった腹部に、決して大きいわけではないがしっかりと存在を主張している小さく膨らんでいる胸部。
まるで発展途上であるが故の美しさをそのまま閉じ込めたかの様な体躯で……。しかもお風呂上がりらしく全体的にしっとりとしているせいで、艶やかにすら見えてしまう。
「入らないの?」
「え?」
「部屋」
そうその少女に静かに問われるまで、その事にすら気づいていなかった。
「あ、ああ。ごめん」
(うっわああああ!?! めっちゃくちゃ美声! カワボ! この声帯に生まれたかったぁああっ!)
返事をしながら自分の心の中のクソデカボイスを、何とか鎮めようと努力しながら脱衣所に入った。
そこは温泉とかでよくある脱衣所のミニ版って感じだった。ロッカー式ではなく棚にバスケットが置かれているタイプ。
少女から一つ空けたところのバスケットに、脱いだ服をいれた。
「あなたが白の言っていた幼馴染?」
身体を拭き終え、服を着始めている少女がそう訊いた。
「え、うん。多分」
「そう」
興味があるのかないのか、感情を感じさせない声でそう言った。
みると物凄い速さで服を着こんでいく。
「まあ、いい魂はしてる」
「へ?」
それだけ言って、その部屋のドアノブに手をかけた。
「あと、ドアに赤い札かかってる時は女が中にいる時だから」
「あ、はい」
そう言って、外に出ていった。
あれ、結構怒ってた感じかな……。
次回も読んでいただけたら嬉しいです。