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第10話:新蜂VS死神の札(2)

 凍りナイフのようになった葉が足を掠める。


「つぅ……」


 近くの木に隠れた。

 先ほどからずっと葉っぱを投げられ続けている。

 辺りは急激に温度が下がったことで霜が降り、魔術で体を温めなくては体が鈍ってしまう。

 息をするたびに白い息が吐きだされた。


「夜空、とか言っていたかしら? さっきは私の事を殺すだのなんだのと言っていたけど、結局この程度なの?」


 好き勝手言ってくれるなぁ、もう!

 火属性魔術はすぐに打ち消されてしまう。

 闘気力と魔術で同じことができる場合、今回の場合では温度の操作になるわけだけど、基本的に闘気力の方が優れていることの方が多いらしい。


「ああ、もう面倒! ただえさえ寒いのは嫌いなのに!」


 暑いのもあまり好きではないがどちらかといえば気温は夏の方が好きだ。

 

「もういいや。一か八か、森を燃やしてみようか」


 魔力に火を模したものだから打ち消されてしまうだけで、本当の火を消すのは難しいはずだ。

 それに火事になったとしても、白の水で何とかしてくれるだろう。


「ほっ!」


 地面に魔力を流し、一気に点火する。

 だいぶ魔力を消費したが、その甲斐あって……。


 カキィン!


「ここまで来れた」

「くっ!」


 連続して刀を振るい攻撃を続ける。

 唯一短剣に纏わせた氷だけは継続させている。

 その短剣の同じところを攻撃し続け……。


「っ!?」


 その氷を砕くことに成功する。

 すかさず追撃に出るが、背後から嫌な予感を感じ横に飛びのいた。

 見ると背後から鋭くとがった氷柱が伸びていた。避けなかったら串刺しになっていただろう。

 すぐに溶け始めてはいるが、周囲の温度が上がろうと一瞬氷の武器を作り出すくらいならわけないらしい。

 葉では私に届く前に溶けてしまうと踏んだのか、今度は尖った氷塊をいくつも作り出し、私に飛ばしてきた。


「あーもう! また振り出し!」


 木々の間を縫って氷塊を避けながら攻撃魔術で攻撃する。だがあまり効いているようには見えない。

 どうする?

 近づいてもまた追いやられるなら意味がない。

 なんとかあの氷の攻撃の対策をしないと。

 考えながら期の裏に隠れていると、ぞわ、と鳥肌が立った。

 木を背にしたまましゃがむと、さっきまで頭があった位置に木を貫通して氷の槍が刺さっていた。

 

「ったくもう! 考える時間すらくれないってならしょうがない!!」


 全身にバリアを張るように魔力で覆い、それに火をつけた。

 その状態で女帝に近づいていく。

 氷塊を飛ばされるが、全て着弾する前に炎で溶かされた。

 またも刀を振り下ろすと短剣で止められる。


「馬鹿ね。そうやって常に炎を纏っていれば、そのうち服どころか肌まで焼き焦げるわよ」

「わかってるだから! あんたをさっさと殺す!」


 炎を作り出している魔力と自分との間にもう一つ魔力の層を重ね、そこに氷属性魔術でバリアを作り出しそれで自分を守っている。

 しかし私はもともと火属性の方が得意な事や、そもそも層が薄すぎるのもあり、じわじわと熱さを感じてきている。服に燃え移り、体が燃え始めるのも時間の問題だ。

 その前にこいつとの戦いに決着をつけないと。

遂に100話です。

そういう節目に物語でキリをつけたりできてないところが計画性のなさを感じますね。

とにかく、ここまで読んでくださった方ありがとうございます。

次回以降も読んでいただけたら嬉しいです。

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