46/46
神の如き者は誰か
[ショートショート] [ダーク] [ファンタジー度★★★]
父の仕事の代行は嘗て六対の翼を以て為されていたのだと。
それを「然り」と答える者はもうこの天のどこにもいない。
明けに輝く一つの星の光が堕ちた。
子が三日の永き眠りについたのと同じ地に、打ちつけられて埋もれて、黒く泥土にまみれた翼。その数は実に三対。
蛇よ、竜よ。汝は今、我が足下に居る。
父の代行を為せ。威光を以て存在を遍く知らしめよ。この三対の光り輝く翼にて。
「神の御心の下に! 神の御心の下に!」
昏い夜が明ける。眩い光が満ちる。
空の星の光を掻き消すかのように。