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「さんか」「しんこう」「すくい」「せ■そう」

[詩] [ダーク] [ファンタジー度★★★]

『さんか』


救世主! 救世主!

シュプレヒコールは高らかに

救世主! 救世主!

シュプレヒコールは鳴り止まない


人々は口を揃えてうたう

彼が握れば聖剣で

彼の行いは聖戦だ

万歳、我らが時代の寵児よ!


救世主! 救世主!

ああシュプレヒコールは止むことを知らず


世界の崩壊まで、あと――




『しんこう』


「世界ノ半分ヲ、やろウ」


 異形の首魁が死に瀕し口を開いた。

 人語など扱えたのかと驚くも、答えは「いいえ」だ。

 神のもと戦いの末に手に入れた“平和”なんだぞ。

 俺は聖剣を振るう。


 ごろり、と首が転がった。

 草を食む動物の如き横長の瞳。

 それが血に塗れた剣を持つ俺を見つめていた。




『すくい』


 俺はすくった。皆をすくった。

 俺をすくった。皆はすくった。

 俺にすくった。皆にすくった。


 悪は正義によって

 討たれるべきという至言。

 それが成される。

 違う、と言っても

 もう遅かった。


 すくいあれ。すくいあれ。

 足下に転げた首に、

 すくいあれ。




『せ■そう』


 累々と積まれる山

 縷々と流るるは河


 世相は()べて似た絵を描き

 十重に二十重に幾星霜

 累々縷々と重ね上ぐ


 遠くで誰かの名を呼ぶ声がする

 人々は高らかに誰かの名を叫ぶ


 さぁ祝杯を

 いずれここも飲まれて消える


 またどこかで産声が上がった



テーマ:異口同音に同音異義を。

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