『黄道十二宮を呼び出せない落ちこぼれ星の召喚士は、じゃないほう星座で頑張ります!』
※この物語は『第四回なろうラジオ大賞』投稿作品です。
「アーク、お前はこの家から出て行け!」
俺は父であり、ステラレイル家の当主であるシリウスにそう告げられた。
「え? なんで?」
「決まっているだろう! お前がいつまで経っても【黄道十二宮】の星獣を召喚出来ないからだ!」
ああ、やっぱりか~。
ステラレイル家は、代々【星獣】と呼ばれる召喚獣を操り、国を守る存在だ。
そして、その星獣の中でも、トップと言われているのが黄道十二宮であり、この十二の大星獣をいくつ呼び出せるかがステータスみたいなところがあった。
俺は一度も呼び出せたことがない。
「お前のような落ちこぼれは我が家の恥さらしだ! 出て行くがよい!」
追い出された。
「ま、なるようになるか。んじゃま、冒険者にでもなるかあ~」
「っぽい!」
「なーんで、お前が付いてきているのかね? ポル」
「ポルはぼっちゃんのメイドだからっぽいです!」
彼女の名はポル。
俺のメイドだ。
凄く美少女なのだが馬鹿だ。残念美少女である。
「だめっぽいですかぁ?」
ポルが悲しそうにこちらを見てくる。
「だけど大変だぞ?」
「望むところっぽいです!」
まあコイツももし残っていたらアイツに……。
「おい、クズアニキ! いや、只のクズ!」
言ってたらこれだ。
俺をクズと呼ぶ男。
俺の弟、だった男、トゥルースだ。
「よ、じゃあな」
「待てよ」
えー。
「ポルを置いていけ」
「い、いやです!」
ぽいじゃねえんだ。
「その女は俺が代わりに飼ってやるからよ……ひひひ」
コイツがいるからポルは出て行った説もある。
けどな、
「ポルに飼ってやるなんて言葉使うんじゃねえよ、カス」
俺にもスルー出来ないもんはあるぞ。
「……は! 落ちこぼれがほざけ! 召喚! 天蝎宮! 赤蠍!」
蠍かよ。マジで殺す気か。
「アーク様!」
確かに、お前らはすげえよ。でも、
「じゃないほうの星座を舐めるなよ、召喚、髪の毛」
「はあ?」
俺は髪の毛を召喚する。
髪の毛は赤蠍に絡みつき、星界へと送り返す。
「はあああああああ!?」
黄道十二宮以外が弱いわけではない。要は使い方だ。
「じゃあな、頑張れよ」
「アーク様! ポル、アーク様好き……っぽいです」
「あっそ」
「ああ……ぅうう、ポルの意気地なし」
「ほら、とっとと行くぞ」
さあて、じゃない方星座で頑張りますか!
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